第二十六話

次の日僕は謎のスキルを写した紙をリクトに見せた。

「なあリクトこの意味わかるか?」

「俺っ?わからないよ。ただ多分キリル文字だな。」

「キリル文字とは?」

「僕の住んでいた国はひらがなとカタカナと漢字っていうタイプの文字だったのだけれど確かロシアやウクライナで使われる文字だ。まあ喋れないし読めないけれどな」

「そうだったのか。ありがとう」

「でなんでこんなことを?」

「それは秘密だ」

「なんか特別な事情があるのか気になるけれど今日は我慢しよう。王族としての秘密だろ。」

「そういうことだ。助かる。」

僕はリクトと別れて朝食を取ると旅の準備を開始した。その30分ほど後、僕は準備が完了した。僕はリクトの部屋にリクトを呼びに行って二人で司祭に会いに行った。あさはやかったが司祭はすぐに対応してくれた。

「司祭殿、僕らはこれから聖都に行きたいと思っています。ありがとうございました。」

「それなら私もついていきましょう。それに教会に留めたことは実はルールの一部でもあるのです。私らは加護持ち様を接待する義務もありますし。」

「それはありがたい申し出ですが自由に今回の旅では動きたいと思っているので。王族としてきたわけではないですし大丈夫です。」

「わかりました。ただ街の中では教会に泊まってください。お金もかかりませんし安全も確認できるので」

「いいでしょう。では失礼します本当に有難うございました。」






僕達は司祭殿の部屋を辞して厩に向かって馬を取りに行った。そして馬に乗って街道に出ていった。周りには人だかりができていた。僕がスタンプードを止めたことが民間人に知られているみたいだ。少しうざいが僕は振り切らずに手をふるなどをして反応した。そして街をリクトと二人で出て街道を聖都に向かって走っていった。

「殿下、あの龍のことを教えろ」

「シンのこと?」

「名前は知らないが昨日のやつ」

「ああシンね。彼は僕の従魔だよ。僕が何歳のときかな。確か9歳のときに魔の森で召喚魔法を行使したんだよ」

「ちょっと待て。9歳で魔の森デビューってやばくね。あそこは大樹の森の次に危険な地だぞ。」

「9歳の時じゃないよ。5歳ぐらいでもう忍び込んでいたよ」

「はあああああああああ!!!!!!お前は規格外だ。絶体に勝てないな」

リクトの絶叫が街道に響いた。

「そう?」

「お前の感覚は狂っている。そもそも普通は龍を召喚なんてできないから。」

「あいつ神竜王だよ。それにシラユキは神馬だしフェンリルも僕の従魔だよ。」

「フェンリルは地上最強の生物そして神馬は地上最速の生物。どっちも最強じゃないかよ。お前の強さどうなっているんだ。もうわけわからん。頭が痛くなってきた。」

「リクトも頑張ればできるよ」

「いやできねえよ。まあいいや気持ち悪くなりそうだろうからこの話は終わり。」

「わかったよ」










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