シンギュラリティ

ハンサム男A

第0話 シンギュラリティ

時は2243年。

とある学者が2025年に発明した酸化鉄水により、当時世界中が難儀していた問題の大半が解決され、科学はさらに発展した。酸化鉄水は複数の特殊な性質があり、N極と一定の距離まで引き合う性質や、製造過程に銅を加えると、その量に比例し絶縁性能があがるという性質もある。

さらに、放射線を吸収し発電する性質も持ち合わせている。

これらの性質は浮遊車やリニアモーターカー、電子機器の開発や、原子力発電の事故の後始末などに使われた。

圧倒的な発電量と便利な性質、そして簡単に作り出せると言うこともあり、人類は酸化鉄水に依存していった。

だが、安易に作り出せるとはいえ、鉄や銅は有限。数百年にわたり金属を浪費した人類は地球から金属の大半を掘り尽くしてしまい、酸化鉄水が生産できなくなり、各国が所有している酸化鉄水を奪い合う戦争が起きるようになった。始めは小さな国同士だったものが、大きな国でも起きるようになり、元々冷戦状態の様なものだった日本と韓国などの国はあっという間に戦争が過激化し、2200年に他国からの超高電圧ミサイルにより両国とも海の底に沈んだ。

このように醜い争いが勃発し、2025年にあった国はほぼ全部滅んでしまった。だが、戦争から逃れた各国の一般人達が一致団結し作った国、メシア。

この国だけは自給自足を行い、残った酸化鉄水を扱い生き長らえてきた。

だが、それを認めないもの達がいた。

2027年にコールドスリープを行った各国の政治家などの権力者達である。

権力者たちはポリティクスという国を作り、メシアから力のある人間を食料で引き抜き、メシアを支配しようと動いていた。

このシンギュラリティは、その戦争と、結果を描く話である。

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