第39話
昼過ぎまで寝ていたら、ドアチャイムのピンポンがうるさい。
電池交換したドアチャイムはこんなにうるさいのか、寝起きだからうるさく感じるのか、どうでも良い事を考えてしまった。
もう少し寝てたかったが起きて鍵を開けた。
「よう」
と、言って壱が大荷物で、ドカドカ入って来た。
「弁当買ってきた。結構嵩張ってしまった、
豪華なの買ってきたぞ」
「ああ、ありがとう。今、起きたばっかりだ」
「ああ、昨日忘年会って言ってたな、後で一緒に食おう、俺は掃除するよ」
「いきなり掃除か?助かるよ」
正月休みから帰って来て一度も掃除をしていないが、なんか壱の流れに乗っている気がする。
考えるのも面倒なので、濃いめコーヒーでも飲もうと流しに立つと、
「コーヒーか、俺も飲みたいから入れてやる、成は濃いめな」
「ああ、ありがとう」
と、僕はソファに座った。
目の前のテーブルには、大げさな入れもに入った弁当と、ペン、雑誌、飲みかけのペットボトル、2-3日前のコンビニ弁当の空、所狭しと汚ない。
部屋を見渡すと、床にはタオル、服、宅配の箱、他にも色々散らかり放題だった。
壱がどこまで綺麗にしてくれるかわからないが大助かりだ。
ソファにゴロゴロと横になってコーヒーを待っていたら、掃除で思い出した。
先日患者さんが、掃除のヘルパーさんにお金を盗まれたと言っていた。
本人の勘違いかも知れないが、ないわけじゃないと思う。生きて行くのって面倒な積み重ねだなってつくづく思う。
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