第12話

「ここのアパートに、壱は殆ど帰ってこないだろう

 引き払ってもいいよ。僕の荷物は実家に送る」


「俺達の住まいだろう」


「もういいよ、壱は勘違いしてたんだ僕がもっと大人になったら…また好きになって…」


 イライラしてきた壱は、

「いったい何でこうなった。2か月前まで上手くいっていただろう」


「僕の中で満たされていないなにかが、出たのかな。

 働く事は大変だけど、自立する」


「…、成、誰か好きな人出来たのか」


「いないよ。出来たならそう言って別れを言うよ」


 同じような繰り返しの話し合い。僕達は疲れてきた。


「今日は僕は泊まって行くけど、壱はどうする」


「俺も泊まる」


「だいぶ遅くなったけど、何か食べる?昼コンビニで買ったのがあるけど出すね、適当に食べて」


「ああ、ありがとう」

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