第5話 小さな毛玉
「はあ、よっしゃー!間に合ったー!
間に合ったぞしょ…」
そういって振り返ると、そこに翔の姿はなかった
△
「お前、一人なのか?」
そのころ、翔はダンボールにしゃべりかけていた
「三毛のメス、1か月半ってとこか」
ダンボールの中には、衰弱しきった小さな毛玉がいた
「ミィィィ!」
その毛玉―――三毛猫は、目は開いたばかり、やせ細っていて、冷え切っていながらも必死に威嚇していた
「だいじょうぶだぞー、俺が助けてやるからなー」
幸い、翔の両親は犬・猫の保護ボランティアに参加していて、翔が猫好きなのも相まってよく猫の世話はしていた
翔は自分がつけていたマフラーをダンボールにそっと入れた
「結構揺れるけどすこし我慢してくれよ…」
「ミィ」
三毛猫はそう弱く鳴くと、マフラーにくるまって寝息を立て始めた
「かわいいやつめ…」
そうつぶやくと、翔は駆け出した
隕石飛来まで残り15分…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます