2.千夏

2.千夏


 ぷかりと、お尻を浮かせて、だらあんと手足を伸ばす。

 いい。

 しばし、くつろいだ後、今夜のプランをおさらいする。

 宴会メンバーは、十名程度の小ぢんまりとした同窓会。

 会場は、『大蛇の間』。

 還暦前後だが、同世代の女性が一人、名簿に含まれている。

 東京からだと言う。


(東京かぁ)


 テレビでしか見たことのない、上野のパンダ、タワー、スカイツリー。

 脱衣所へ向かう。

 手早く、白いショートパンツを履く。

 ゆっくり、髪を乾かす。

 営業用の、思いドライヤーで左右の黒髪を、時間をかけて念入りに。

 左から、右。

 白いTシャツから、くっきりと浮き出た乳首が、生命体としての尊厳を、わたしに投げかけてくる。

 準備OK。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る