情景スニッピング

8枚目『翆玉（すいぎょく）の帝都 ―セントジュベリル―』

　全体が白っぽい砂岩の建物に、緑柱石（ベリル）の宝石群を思わせるエメラルドグリーンやマリンブルーの屋根。ここはジュスタルラルド帝国の首都、セントジュベリル。

　その帝都を臨む王宮がベリリムクロロ宮殿だ。都を一望できそうな宮殿は、都に溶け込む色使いでありながら、都の建物とは一線を画す鮮明さと存在感を放つ。美麗（ひれい）でありつつも、荘厳（そうごん）さを内包している。

　その存在感は、幾星霜（いくせいそう）の時を越えて尚（なお）、その姿を保ち続けている賜（たまもの）なのだろう。