すがら/ながら 本篇(4月)

り(PN)4月14日

連句始めます。 今回は以前から一度試みたかった独吟です。 ただし、わたし一人では同じところをぐるぐる廻りそうなので、冬扇さんにお捌きをお願いしました。 公開としますので、ご意見あれば宜しくお願いいたします。 発句 朧月共に眺めむ人もがな(春・月


冬泉

了解。発句は春・月ですね


り(PN)

宜しくお願いします。

あと、今回はいつものように四句作らず(浮かべば別)、出したものにダメ出しのような感じで考えています。


り(PN)

36×4と考えると竦んでしまいそうで……。


り(PN)

脇のイメージは川岸で朧月を眺める二人で、

「匂ふ花弁(はなびら)川面を埋めて」

のようにしたいが、これだと明確な春がない。

さりとて「桜はらはら匂ひを移す」だと川が見えない。

川に拘る必要はないが、朧月には川が似合うと思う。

……とすれば「桜はらはら川面を染めて」で匂いまで感じさせるべきか。


冬泉 04/15

間が空いてすみません。


四、五句もあると、どれも駄目とは言いにくく、何とか活かせないかと考えてしまったり…じっくり考えて最適なのを作る方が良いと思います。


り(PN)

そうします。

エンジンをかけようと思ったら歯が折れたり……。

全ダメ出しOKです。

ノンビリ行きます。


り(PN)

発句

朧月共に眺めむ人もがな

脇/春

春の宵には音あるや

はるのよひにはおとなひあるや


昼間は色々と騒がしい春だが、宵にふと気づくと静まり返っている。


こんな感じで……。


冬泉

よろしく。独吟なのに(独吟だから?)相手を求める発句が面白いと思って選びました。


脇句は発句の意を受けて同季同刻同場、韻字(漢字)止めが良いとされます。匂うは元来視覚も含む語ですから、これくらいでいいのでは。


匂ひをうつす春の川上(かはのへ)

川面(かはも)をわたる春の足音


り(PN)

さすがですね。

戴いて、

匂ひ艶やか春の瀬音


最初は「匂ひたおやか春のせせらぎ」でしたが、「たおやか」では、さすがに擬人化が過ぎて……。


り(PN)

せせらぎが聞こえるので水は流れているわけですが、川の流れに押しやられ、押しやられしつつも、匂うほど多くの桜の花びらが降っている様ですね。


冬泉

はて、どうしたものか…

瀬音(せせらぎ)の句では発句を承けていないように思えます。花は字義からはうかがえないものの、その意味にしたいのなら、発句を月花の句にするのがいいと思います(季は春)。

さもなくば元の案に帰って「おとなひあるや春の暁闇(かはたれ/かたわれ)」くらいでは?


冬泉 4月19日

彼は誰と片割れは旧仮名では明瞭に違いますが、映画『君の名は。』のように、混同・取り違えを有意義に使うのもいいと思います。片割れ朧月を眺めながら夜を過ごして、

人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ(梁塵秘抄)


り(PN)

なるほど、そうかけますか。

それにします。

発句/春/月

朧月共に眺めむ人もがな

脇/春

おとなひあるや春の暁闇(かはたれ)


り(PN)

かたわれ、忘れた。


おとなひあるや春の暁闇(かはたれ/かたわれ)


り(PN)4月20日

発句/春/月

朧月共に眺めむ人もがな

脇/春

おとなひあるや春の暁闇(かはたれ/かたわれ)

第三/春

①冴ゑ返る谺も聞こゆ宿借りて

②花冷えに連れたる子犬の嚔して

③草餅を食みて頬までふくよかに

次点 白酒に腹の大蛇も頬染めて


り(PN)

①転じて、音アリ/独り、といったところ。

②上と同じ。人を犬に代え……。

③孫のほっぺったのイメージ。かはたれ → おやつの時間。

次点 白酒の由来から……。月が白いので紅く。


数を作る方が思考が纏まると知りました。


り(PN)4月22日

リツイートしてみた。


冬泉

遅くなりました。③がいいと思います。冴え返る谺は付きすぎ、花冷えは花の座で。次は無季で軽く。


り(PN)

朧月共に眺めむ人もがな

おとなひあるや春の暁闇(かはたれ/かたわれ)

草餅を食みて頬までふくよかに

第四/雑

①猫ども道に雑巾のごと

②吃驚すれば眼鏡をも落つ

③汽車の窓辺に広がる大地

次点 羊追ふ犬利発に動き


り(PN)4月23日

①ふくよか → ぺったんこ。最初は、道端の猫雑巾のごと。

②餅をのどに詰まらせたとか……。病態になるか。

③草餅の「草」から。食べる人が汽車に乗っていたら付過ぎ。

次点 食みて → 羊 という連想から。


冬泉

③ですね。餅と頰の団さ柔らかさは引っ張らない方がいいと思います。発句で月が出ているので、次は春以外なら無季でも有季でも。汽車で動きが出たのでいろいろ連想できそうです。


り(PN)4月25日

おとなひあるや春の暁闇(かはたれ/かたわれ)

草餅を食みて頬までふくよかに

汽車の窓辺に広がる大地

第五/雑

①鴎啼き白し鯨の現れて

②香水の薫りに惹かれ宵町へ

③蚤の市買はれて買ひて得も無く

次点 緞帳の降りれば拍手鳴り止まず


り(PN)

①大地 → 海。イメージはMoby-Dickですが、現れるだけなら不吉ではないかと……。

②春の大地 → 花の香り → 香水。

③大地 → 広い → 狭い → 屋台。「蚤の市得したはずが損をして」、とか。「火焔太鼓」と「道具屋」が何故か頭に浮かぶ。


り(PN)

次点 車窓を舞台と見て……。「鰯売恋曳網」もイメージしたが、上手く使えず。「姫様の魂奪ふ声聞こえ」だと序なのに恋となる。


冬泉 4月26日

次点。「緞帳の降りても拍手鳴り止まず」では?


り(PN)

いいですね。

そうしましょう。


り(PN)

発句【春】(初折)(月)朧月共に眺めむ人もがな

脇 【春】おとなひあるや春の暁闇(かはたれ/かたわれ)

第三【春】草餅を食みて頬までふくよかに

四 【雑】汽車の窓辺に広がる大地

五 【雑】(月↑)緞帳の降りても拍手鳴り止まず


冬泉 4月30日

続きをどうぞ。次も春以外なら何でも。


り(PN)4月30日

汽車の窓辺に広がる大地

緞帳の降りても拍手鳴り止まず

第六/雑

①船に揺られてこっくり眠る

②時の間にこそ人の生きれば

③螺旋巡りて吹き抜くる風

④慣れぬ座禅に痛痒い足

⑤靄に澄みし山小屋の朝


り(PN)

①拍手 → 煩い → 静か → 眠る。乗り物が打越かな。

②緞帳は舞台の仕切り → それを時の隙間(不連続部分)と見て……。

③拍手が客席から舞台に向かう方向は直線 → 円筒状建造物ならば螺旋とか。

④拍手 → 煩い → 静けさ → 緊張感 → 座禅。

⑤これも静かですね。


り(PN)

作った順で……。


冬泉

どれも人情と場・観想の繰り返し(縞)になる気がして迷いますね。③を使って舞台からの連想で「桐一葉落ちつむじ風吹く」(秋)とかやってみたいけど、変えすぎですか?


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