最強の聖騎士だけど聖女様の乳を揉みたいので魔王軍に寝返ってみた

青ヤギ

第1話 このおっぱいで聖女は無理でしょ

 魔王軍の侵略によって、いま世界は危機に陥っている。

 聖騎士である俺は、国と人々を守るため日夜戦い続けていた。


「聖女様。騎士団長、フェイン・エスプレソン。ただいま帰還いたしました」


 魔王軍との一戦を終え聖都に帰還した俺は、神殿で待っていた聖女様に膝をつき頭を垂れる。


「よく戻られましたフェイン。ご無事で何よりです」


 いつものように、柔らかで慈しみに満ちた声が迎える。


「此度の戦いも獅子奮迅のご活躍をなされたようで。さすがは聖都最強と謳われる《剣将》。聖女として感謝いたします」


「勿体なきお言葉。聖女様にお仕えする聖騎士として、当然のことをしたまでです」


「相変わらず謙虚なのですね。そういうところがあなたの良いところでありますが……。さ、お顔を上げてフェイン?」


 言われるがままに顔を上げると、両頬が少女特有の華奢な手で包まれる。

 目の前には聖女様のご尊顔。

 まだあどけなさの抜けない、それゆえに尊く美しい笑顔が向けられる。


「フェイン。あなたのおかげでまた多くの命が救われました。どうか、あなたに《聖神》のご加護がありますように……」


 瞳を閉じ祈りの言葉を口にする。

 聖なる光が肉体を包み、蓄積した疲労を癒やしていく。

 戦いを終えた聖騎士を慈しみ、祝福するその姿はまさに聖女の名にふさわしい。


 聖女様は俺を謙虚という。

 だが違う。

 俺という男は本当は誰よりも強欲だ。

 こうして間近で聖女様と触れ合える時間を、その笑顔を、自分だけが独り占めにしたいと思っているのだから。

 ああ、聖女様は今日もお美しい。

 男だけでなく、同性すらも虜にしてしまう完成された美貌は、いつまでも見つめていたいと思うほどに神々しい。


 しかし、俺の視線は聖女様の顔より下に移った。

 聖女様の美貌だけでも充分眼福だが、もっと凝視したいものがそこにはあったからだ。


 ああ、やっぱりいつ見ても……









 聖女様のおっぱい、超でけええええ!


 でかい。でかすぎる。

 でけーな。本当にでけーな。

 なんなの、このおっぱい?

 いったい何カップあるんだ?

 露出の少ない聖衣を突き破らんばかりに発育した特大のおっぱい。

 歩くだけでたぷんたぷんと揺れる巨大なおっぱい。

 ああ、揉みたい。

 いけないとわかっていても、このおっぱいを……。


 聖女様のおっぱいを揉みたい!





 聖女ミルキース。

 いまや、その名を知らない者はいないだろう。

 そのおっぱいの大きさを知らない者もいない。

 いや本当になんだ、このバカでかいおっぱいは? ふざけているのか?

 このおっぱいで聖女は無理でしょ。

 一度でいいから揉ませてほしい。



 唯一にして絶対なる《聖神》に選ばれた聖女様。

 神聖不可侵の存在である彼女の乳を揉むなど、いうまでもなく異端審問レベルの背徳行為である。

 でもめっちゃ揉みたい。ダメと言われるほど揉みたくなる。ああ、揉みたい。

 ただのおっぱいじゃない。なんたって聖女様のおっぱいである。神聖なる聖女っぱいだ。


 なぜ聖女のおっぱいというだけで特別感が増すのだろう?

 なぜ伝承に語られる伝説の存在のおっぱいというだけで価値が増して見えるのだろう?

 興奮してしょうがねー。


 幼少時は辺境の教会で育ち、贅沢とは縁遠い質素な生活を送っていたそうだが……

 それでどうやってこんな凶悪なドスケベボディが育つんだ?

 穢れを知らぬ聖女として表舞台に出て、その特大おっぱいを民衆に見せ散らかした彼女。

 その清廉な精神と無欲な振る舞いは人々の感動を呼んだ。

 俺も感動から泣いた。

 こんなにも素晴らしいおっぱいを持つ美少女がこの世にいたのかと、思わず天を仰いで感謝した。


 美人な女性ならば貴族の中にも多くいるが、だいたいは高飛車の性格ブスだ。

 しかし聖女様にいたっては人格面にマイナス要素が微塵もなく、外見まで美人ときた。

 最強かよ。


 年端もいかない少女ながら透き通るような美貌、優しさが透けて見えるような穢れなき美貌。

 そして、おっぱいである。

 小柄な背丈や童顔に見合わぬロケットおっぱい。

 もう巨乳なんてものじゃない。爆乳というか魔乳レベルである。

 いや、聖女だから聖乳と呼ぶべきか。

 聖乳、超揉みたい。

 心優しくいい子な彼女のおっぱいを、淫らなことなんてほとんど知らなそうな無知でムチムチのおっぱいを揉んで揉みまくりたい。

 魔王の出現に合わせ聖女として目覚めたという彼女の奇跡のおっぱいを揉みたい。


「本日もご苦労様でしたフェイン。何か感謝の印をご用意しないといけませんね。あなたからご希望はございますか?」


「いえ、どうかお構いなく。聖女様のそのお気持ちが、わたくしにとっては充分すぎる褒美でございます」


 嘘である。

 いますぐ「では、そのご立派な乳を揉ませてください」と声を大にして言いたい。

 まあ、バレたら確実に火刑コースだから言えないけどね。


 本音を押し殺した素っ気ない返答を前に、聖女様は残念そうに微笑む。


「そうですか……。節制は聖騎士の美徳なのは承知ですが、たまにはワガママを言ってくださっても構わないのですよ? 神官たちはうるさいかもしれませんが、私は何も咎めませんから」


 ああ、聖女様は本当にお優しいな。

 こうして聖女様が直々に癒やしてくださること自体が、聖騎士にとっては法外の誉れだというのに。

 その上で褒美を用意しようとするのは彼女自身の生来の性格によるものだ。

 良くも悪くもまだまだ普通の少女としての感性が抜けきっていない。

 そんなところが、また人々に愛されている理由だが。


 改めてこんな心優しく美しい少女が人類の命運を握る存在ということに驚く。




 地平を埋め尽くす魔王軍。

 とうに人類が滅びていてもおかしくはない圧倒的な戦力差だが、それでもこうして無事でいられるのは、奇跡としか言い様がない聖女様のチカラのおかげだ。


 国を覆うほどの巨大で強固な結界は魔王軍の侵入を阻み、治せないとされた傷も病も『癒やしの波動』でたちまち回復する。

 聖神のチカラの一部を他者に授ける『聖女の加護』は、ただの人間を異能のチカラに目覚めさせる。

 そうして編成された聖騎士団の登場によって、人類は初めて魔王軍と対等に戦えるようになったのだ。


 希望とは、まさに彼女のことだ。

 そんな聖女様に、ふしだらな感情を向けるほど不敬なことはない。

 わかってはいる。だが、それでも揉みたい。

 普段から感謝してる救世主たる彼女の乳を――感謝の言葉と共に揉みしだきたいのだ。

 感謝のモミモミ。ありがとうおっぱいしたい。


 勘違いしないでほしいが俺の聖女様へ向ける忠誠心は本物だ。

 あの乳をぶら下げて世界を守り続けている彼女を尊敬している。

 柔らかそうで、でかいあの乳を見ながらその気高い姿に心酔している。

 心酔しつつ揉みたい。人々が彼女を女神のごとく讃えているように、俺も彼女の聖乳を讃えつつ揉みしだきたい。


 日に日に増していくそんな欲望は戦いで発散してきた。

 おかげで気づけば聖都最高戦力である十二人の騎士団長十二聖将の頂点に昇り詰めていた。

 だが俺は地位や名誉に興味はない。

 俺が望むのは、ただひとつ。

 聖女様のおっぱいだ。


 これまでは少しでも彼女の傍にいられるのなら、それだけで幸せだと思っていたが……欲望というものには際限がない。

 騎士団長としてお顔を合わす機会が増えれば増えるほど、聖女様と手を繋いでみたいとか、聖女様を抱きしめてみたいとか、聖女様の乳を揉みたいとか聖女様の乳を揉みたいとか聖女様の乳を揉みたいとか、やりたいことが溢れるように出てくる。

 もう最近はほとんどおっぱいのことしか頭にない。

 ああ、おっぱい……。

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