二
「あ。お母さん、あの図書館行ったんだ。私も行きたかったなぁ」
バスタオルを頭に乗せたまま、甘えた声で娘の
二人分の食器を片付け、夫の晩ごはんを冷蔵庫に仕舞いつつ、まじまじと本を眺める様子を横目で盗み見る。
テレビから話し声が流れ、無造作に置かれる本。
「ねぇ、今度散歩がてら一緒に行こうよ。この街の探検も兼ねてさ、いいでしょ。お父さんも連れて」
無邪気な声に、得も言われぬ感情が、私をゆっくりと捕らえ始めていた。
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