第12話 登録と依頼

 翌朝、ギルドに来た俺とソーレはエイラさんのいる窓口に並んだ


「登録って難しいの?」


 ソーレがソワソワしている


 ギルドの雰囲気がなれないんだろう


「簡単だよ、列が開いた。行こう」


「……うん」


 ソーレが俺の服の袖を掴む


「おはよう!リヒト君!と……新人さん?」


 エイラさんが首をかしげる


「ソーレといいます、冒険者登録に来ました」


 ソーレがおずおずと口を開く


「ソーレちゃんね、僕はエイラだよ!よろしくね!」


「よ、よろしくお願いします」


 エイラさんの勢いに押されながらもソーレは挨拶を交わす


「それと、パーティー申請もお願いしたいんですけど」


「リヒト君がパーティーを組むのかい!?」


 俺の発言がよっぽど以外だったらしい


 元から大きい目をさらに見開いている


「そうです。ソーレと」


「へぇ~それで……先にソーレちゃんの登録を済ませようか」


 エイラさんは引き出しから白いプレートを取り出した


「さあ!ソーレちゃん、このプレートに触ってみて」


「はい……」


 ソーレがプレートに触ると

 プレートが発色し、名前、ランク、そして冒険者としての番号が順に刻まれていく


「凄い――文字が勝手に」


 ソーレは目を見開いている


「これが君を冒険者と証明するものだから、なくさないでね?」


「気を付けます」


 無事に登録は終わったみたいだ


 じゃあ、次は


「パーティー申請もお願いします」


「うんっ、二人ともプレートを出して」


 ソーレと俺はエイラさんにプレートを渡す


「いくよ――彫刻魔法スカルプチャー!」


 エイラさんが魔法を唱え、両方のプレートにあるパーティーメンバー欄に名前が刻まれていく――




「はい!完成!」


「「ありがとうございます」」


 俺たちはプレート受け取る


「それにしても、リヒト君のプレートにメンバー名を刻む時が来るとは思わなかったよ」


「心境の変化って奴です」


「心境の変化ねぇ……それはそうと依頼を受けるかい?」


 エイラさんが俺のランクに合った張り紙のコピーを数枚カウンターに並べる

 

 ランクに合ったと言っても正直、余裕で達成できそうだが


 でも、ここはいつも受けているクエストを自信満々に受けるよりは――


「パーティーとしてクエストを受けるのは初めてなのであちらの掲示板から選ぼうと思います」


「堅実だねぇ……ソーレちゃんはランクを速く上げるために、高難易度のクエストを受けてみたくないの?」


 エイラさんがソーレに話を振る


 基本的な仕事の幅が広がるから高ランクであることは重要視される


 さて、ソーレは意外と乗り気だったりして――


「初めてなので私はリヒトに合わせます」


 そんなことはなかったらしい


「じゃあ、決まったら持って来てね!」




 その後、レッドスネークのクエストを受けた俺たちは生息地に向かった










 ◇今日はもう一話投稿します!



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る