第3話 魔力と生活魔法

 魔法がある異世界だと気がついて三年が経った。


 母乳を飲ませてくれたり世話をしてくれた女性、金髪青瞳の平均身長の可愛い系美人の美乳な母さんと子供の扱いが雑な男性、青髪赤瞳の高身長の細マッチョで髭を生やしたワイルドなイケメンな父さんの子としてすくすくと育っております。


 夢から覚めてから半年で魔力をスムーズに動かせるようになった。


 初めて魔力が動いた時は、こいつ、動くぞ!と動いたあああ!と喜びで身体をばたばたさせまくって、疲れて寝落ちした。

 起きて興奮したまま、魔力を動かした。

 ほんの少しだけど魔力が動いて、おお!動いてる、動いてる!と喜んで、また身体をばたばたさせまくって、疲れて寝落ちしてしまった。


 日々、徐々に魔力が動くようになっていくのは楽しいものだった。

 スムーズに動かせるようになってからは意識をして魔力を操作し常に身体中を循環させている。



 今思うとすぐに母親の言葉がわかったのは凄いことではないかと思った。

 それと子供の成長が早いからなのか脳が柔らかいからか前世の記憶、想像力があるからなのかすぐに生活魔法(プチライトやプチクリーンなど)を使えるようになった。


 排泄時に生活魔法が使えるようになったから自分でプチクリーンを使った。

 少し綺麗になったが不快感が消えず我慢できず泣き叫んだ。

 母親が来て、すぐお尻を拭かれた後プチクリーンをしてくれてさっぱりして泣き止んだ。


「今日は少ないわね。」と母親の言葉を聞き、今後もプチクリーンを使用していくつもりだったから、少ない便が続けたら心配させそうだったので目の前でプチクリーンを使ったら少し騒ぎになってしまった。


「あら?今のはプチクリーン?」と呟かれたからもう一度プチクリーンを使った。

「プチクリーンを使ったの?」と聞かれて、「あー。」と声を出して頷いた。


「ええええええっ?」


「どうしたっ?」


 母親の大声に父親が駆け寄ってきた。


「この子がプチクリーンを使ったのよっ!」


「はっ?いや、まだ0歳だぞ?」


「本当よ。ねぇ、もう一度プチクリーンを使ってみて。」


「あー。」


 父親の手が汚れていたからそこにプチクリーンを使ってみた。


「!?」


「ね。」


「あぁ、プチクリーンだな。」


「……」

「……」


 両親が無言で見つめ合う。


無言、怖い……

使うべきじゃなかったか……


「もう使えるのよ!この子凄いわ!天才だわ!」


「あぁ!天才だな!」


 両親が大興奮、抱っこされ頬擦りされた。

 愛情たっぷりの頬擦りに不安が吹き飛んだ。


 母さんの頬擦りは良かったが父さんのは髭がじょりじょりして痛くて泣き叫んでしまった。



 この後、落ち着いてから生活魔法を見せてくれた。


 小さな光のプチライト。

 少しの汚れを落とすプチクリーン。

 着火のプチファイア。

 生水のプチウォーター。

 微風のプチウィンド。

 一時しのぎの修理プチリペア。

 両手で持てる重さのものを異空間かどこかに収納するプチボックス。


 それらを母さんと父さんが使うのを見せてくれた。

 指や手から火、水、風が出てきて大、大、大興奮してしまった。


小さな火、コップ一杯分の水、微風だけど……

指や手から出るんだぞっ!そりゃあ!大興奮するでしょっ!


 いつもの如く大興奮して疲れて寝落ちしてしまった。




 動き回れるようになるまでは目を覚ましたら、魔力が無くなるまで魔法を使い気絶するように眠るのを繰り返した。

 ハイハイ、歩けるようになってからは危なくないプチライトを出して、動かしそれを追ったり、歩きながら魔力の循環をさせたり、歩き疲れたら、座ったまま魔法の使用や魔力の循環をした。


 両親には魔法が大好きでよく寝る子だと思われている。



 徐々に魔法の使用回数が増えているからたぶん魔力量が増えている。

 それにともない魔力が無くなるまで時間が掛かるようになってしまい寝不足気味になった。


 魔力を込める量を増やしたり、複数同時使用を試した。

 魔力を常に身体中を循環させてスムーズに、自由に動かしていたからかすぐに出来た。


 魔力を込める量を増やすと効果が上がることがわかった。

 プチライトなら明るくなり大きくなった。

 同時使用は最初は二つ、次に三つと複数増やせるようになり魔力の消費が増加して時間を減らせるようになって寝不足の問題が解決した。


 ふと明るさや大きさが変わるのなら形も変えられるんじゃないかと思ったんだ。

 プチライト、小さい光の玉を星の形にしようとした。


なんとなくね。


 最初は歪な星の形だったが何度も何度も繰り返していると綺麗な星の形になった。

 夜にデネブ、アルタイル、ベガとか歌いながら天井に星のプチライトを浮かべ、ソロプラネタリウムを開催したりした。


 プチライトでわかったことは魔力を減らした小さい光を星にしようとしてもぼんやりふんわりした感じの星にしか作れなかった。

 普通の?標準の魔力量のプチライトをぎゅっぎゅっと圧し固めるようにして星の形を作ろうと試したら成功した。


 凝縮?圧縮?しないと綺麗な形にはできない。

 それをすると小さくなる。

 大きいのもの複雑なものを作ることになると魔力を増やさなければならない。

 形は複雑な形ほど魔力量は増え、魔力制御が難しかった。


 難しいっていっても三年ほぼ毎日魔法を使っていたからプチウォーターでリヴァイアサン、プチウィンドでシルフやグリフォン、プチライトでペガサスやユニコーンなどの複雑な形にできるようになってしまった。


子供の成長って凄いっ!


 プチじゃないだろっ!これっ!と訴えられるくらいの大きさにもできるようになった。


子供の成長って凄いっ!


 両親が天才だ天才だと言うが前世の記憶を持った子供だからスタートダッシュが早いだけで、本当の天才にはすぐに追い抜かれるだろうなと思いながら、でも失望されないように頑張ろうとか思ったりした。

 父さん母さんに褒められるのは嬉しいんだ。

 前世では褒められることなんかなかったから余計に嬉しく感じた。


まぁ魔法で色々できるから物凄く楽しいからっていうのもあって色々試したりしているんだけどね。


 三歳の誕生日に両親にプラネタリウムを披露して「産んでくれてありがとう。」と言った。

 抱っこされ頬擦りされた。

 父さんのは変わらず痛かったけど、涙目になったけど、泣き叫びはしなかった。


 少し成長した。

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