なんというか、魅力的ですね

「それで、君を買うのにお金を使い切ったから少し手伝って欲しい。」


現在所持金は50コル、2人で使ったら...まず使えないな。

俺は早朝に手鏡で見たトンネルに向かおうとしていた。


「あの、なんで私を買った?忠告されていただろう?

私を買うと千の厄災が降りかかると。迷信だがな...

だとしても、皆それを信じて誰もエルフを買おうとしない。それなのになぜ買った」


言いにくっ!

素直に一目惚れですとでも言うか?

それとも迷信を信じてないとか。俺の力で厄災止めれるか気になったから?


いやいやいやダメだ。俺は友好的にいたい人に嘘をなるべくつきたくない。


「...ほんと驚かないで欲しいんだけど」

「あぁ。」


「一目惚れです。凛々しく美しい貴女に惚れただけです///

...貴女じゃなきゃエルフだとしても買わなかったと思う。うん」


俺が正直なことを言うとシエは顔を赤くした。

なんだそれ可愛すぎだろ反則だろ!


「...いやまぁ、うん。嬉しいんだが、それは...プロポーズという事か?奴隷に...」


確かにそうじゃん!...でもシエみたいな美人と付き合えたら幸せだろうな。

流石に俺じゃ無理だろうけどな。主従関係だ。


「どう捉えて貰ってもいいよ。とにかく金だ」


そう忘れていた。今お金が無い。とにかく無いのだ。

少し強引にシエを連れながら町を歩く。

そうしていると、急にシエが止まった。


「どうした?行くぞ。」


「あの、いや私なりの捉え方をしてもいいか?」


顔を赤くしながら言う

だからそれ可愛すぎだって!


「...不束者ですがお願いします。」


んんんんん!!??


ええ俺もしかして告白まがいなもの告白になった!?えぇマズイ。


むりむりむりむりむりやばい、嬉しいけど...


「いやあのな。いっときの気の迷いに呑まれるな。

俺よりいい人は絶対にいる。君ほどの美人だと尚更人は集まると思う。」


「...私たちエルフ族が人間から蔑まれているのは知ってるだろう?千の厄災などという出鱈目な迷信を作られ泥を塗られ、挙句の果てに奴隷落ち。

君より私を好いてくれる人は居ないと判断した私の結果だ」


随分の嬉しいことを言ってくれる。口元が緩んでしまう。


「それに私のスキルが言ってる。この人は嘘をついていない。そして圧倒的な強者だと。」


そうだ、この世界にはスキルがある。

そして俺のスキルは|全の破壊者オールブレイカー

魔物などを倒すとレベルが上がり、スキルが使えるようになるのだが、俺は最初から使える。

そりゃ強者に見えるわけだ。


「…これからどうするのだ、だ、旦那様」


「気が早い、まだ主様でいい。」


正直顔が赤いのが分かる。俺の方が権力低いんじゃないのかってくらい言われ放題だ。


「旦那様は可愛いな」


まぁ、美少女になら嫌な気持ちにはならないな。

しかも裏切られないし。ただ、やられっぱなしは少し癪に障る。


シエを近くの壁に押し倒し恥ずかしいが顔を近づける。一瞬にして顔は赤くなった。


「そ、それでシエは子供は何人欲しいんだ?」


少し噛んでしまったが問題ないだろう。

耳まで綺麗に赤くなっている。やっぱりかわいい。


「これで懲りただろ。からかうのはやめてくれ」


「…い、いや旦那様が子供を欲しがるなら私も協力する。ただ、私は子供はいなくてもいいと思っている。

それにからかってなどない。」


「それはそれで困るんだけど…。まぁとにかくお金を稼ぎた…ああ、あとシエには話しておこうと思う。この鏡のことを」


それからこの手鏡の性能を話した。何ができるのか何を映し出すのか、今知っていることを全て


「なるほど、1日1回なんでも聞けるのか。それでお金がどこにあるか分かるっことなのか。それで取りに行くと」


「そうなるな。着いてきてくれるか?」


「選択肢はないだろう。無論、着いていくぞどこまでも」


なんとも嬉しくなる、出会って数時間なのに忠誠心が強いな。まぁ安心できるからいいけど


「それじゃ行くか。トンネルに」



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