第5話 お金
客間で待たされきたのは領主さまとアンリエッタさま。
「此度ご苦労であった。なんなら召し抱えるが?」
「いえ、俺は冒険者の方が向いているので申し訳ありません」
「では金貨千枚を褒美にやろう」
「ありがたき幸せ」
「アンリエッタのこともありがとう」
「いえ、当然のことをしたまでです」
それから少し話して解散となった。
金貨千枚はその場で渡されアイテムボックスにいれる。あまり大事にしたくないので領主さまがいなくなってからだ。
帰る際にアンリエッタ様から召し抱える!と言われたが丁重にお断りして帰った。
宿屋に使いがやってきたのはそれから三日後、ようやく報奨金と討伐金の用意ができたらしい。行くと両方合わせて五千枚の金貨を渡された。ミスリル金貨だったのでポケットに入れるふりをしてアイテムボックスに入れといた。
ようやくこれで解放されたな!とおもっていたら商会の会長が直々に来てこの度は娘たちを助けてくれてありがとうと言われた。
最初の馬車である。何回か来ているらしくやっと会えたと涙を流していた。そして金貨百枚をもらった。
『わしじゃわし』
「ワシワシ詐欺は間に合ってます」
『神に向かってなんてことを!』
「でなんですか?」
『今回はケーキが食べたくてのぉ」
「ホールですか?カットしたやつ?」
『なんでもいいんじゃよ』
「じゃあ、こっちで選びますね」
『よろしくなのじゃ』
ホールで二、三個でいいだろ?
段ボールのまま置くとすぐなくなった。
『あっこら。だめじゃ!みんなくるな!』
『ケーキありがとうございます。じゃ!』
いつも食べられてるんじゃないだろうか?
まぁ。今度はもっと多めに買ってやるか。
にしても濃い!一日一日が濃すぎだからもうちょっとなにもない日が欲しい。
今日はここから出ないでおこう。ネットスーパーで漫画でも買って読むか。
ネットスーパーで大人買いした漫画を読んでいると寝てしまった。疲れていたのだろう。
翌朝は絶好調だ!よく寝れたしなにも起きなかったし!
4
さて、今日はなにしようと思ったらギルドの緊急招集があるではないか!行ってみるととモンスターパレードの避難訓練らしい。真面目にやると銀貨一枚貰えるらしいが、そんなもんに時間を使うのはバカなんじゃないだろうか?
まぁ、いいとして俺はパスする。
「おい、お前はやらないのか?」
「俺はパスするよ」
「そうか?こんな簡単なことで金がもらえるんだぜ?」
「ほら、それなら狩りに行って稼いだ方が何倍もましだろ?」
「そうか?」
「俺はそう思うってだけ、じゃあな」
「おう」
あんなめんどくさいことやってられるかよ。
んじゃ狩りにでもでかけますかね。
外に出て行き適当に森の中を駆け回る。
本当に地球にいた頃と違うから戸惑ってしまう、こんなに早く走れてそれも森の中で。
モンスターを見つけたので切り倒し解体を使う。
アイテムボックスに入れてまた走る。
今度はデカいモンスターだなぁ。
「よっと、ちょっと君デカすぎないか?」
「ウオオォォ」
「うるさっ!」
鑑定すると豪鬼猿亜種とかいてある。
普通種までいるのかよ!
首を落とす勢いで剣を振るうと途中で止まってしまった。
「悪いな痛いだろう」
剣を逆から入れて首を落とすと倒れた豪鬼猿亜種に押し潰される豪鬼猿達。
解体してアイテムボックスに入れる。
魔石が拳より大きくてビックリしたが多分それなりの値段するだろうなぁ。
この森は深く行くほど強いモンスターが出るらしいので奥深くまで行ってみようかな。
途中で鳳凰のような鳥や、三つ首のモンスターなどを倒しながら奥を目指すがまだ先があるみたいだ。
転移を想像しようと思ったがどれくらいかかるか分からなかったのでやめて普通に帰った。起きたら死んでましたなんてやだしな。
これがゲームだったら楽しいんだろうけど、でもやっぱりレベル上げが楽しいのは普通でも同じか。
狩りを楽しんでから帰る道のりでまたモンスターを狩りながら進んでいく。
「今度はなんだ?」
マップに青い点と赤い点が重なっている。
近くまで行ってみるとモンスターと戦っている女の子だったが、血だらけで今にも倒れそうだ。
辻ヒールをしてやる。
「誰か知らぬが辱い」
元気に復活した女の子はその刀を流麗になぎ払いモンスターを倒した。
「あんまり無茶すんなよ」
「あぁ、ありがとう」
「んじゃな」
俺はまた森をかけて門まで来ると兵士にはもう顔パス…とはならず、冒険者証を見せて通る。
もう避難訓練は終了していていつもの通りだ。
「おっちゃんお願いします」
「おっ、またやってくれよ」
「クリーン」
また血だらけだったおっちゃんまで綺麗になった。
「ありがとよ。で?獲物はなんだ?」
「色々あるけど豪鬼猿の亜種かな?」
「そりゃすげえな」
解体した素材を置くとグッと親指を立てて最高査定だ。
「しかし、魔石はどうした?」
「いや、なんかに使えそうだから取っておこうかと思ってさ」
「そりゃいいが魔石が一番高いぞ?」
「うん。別にそれでいいよ」
「ならこれでいいか?」
金貨130枚銀貨55枚だ。
「それでおねがいします」
「はいよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます