闇の大魔法使い、命を狙われ続けたので転生して新たな人生を選びます。
@indr100
第1話
魔法、、、それは自身の魔力を使い、奇跡を起こす所業。そしてそれを使い人々のために仕事をするのが魔法使いである。だが、そんな魔法使いの世界にも闇はある。
「はぁ、、、」
この男、ジョージ・ウィックは魔法を使い人を殺める仕事をしている。ジョージはその仕事でかれこれ18の頃から今の42までの24年間生計を立て、人を殺めた数は200を超えていた。
それだけ人を殺めたからか裏社会において彼は名を広め、今では20人以上の暗殺者に常に命を狙われている。
「俺は一体いつまで逃げては殺して逃げては殺しての生活をするんだ?」
ジョージはそう言うと床に書いてある魔方陣の真ん中に立つ。
「そんな毎日とも今日でおさらばだ、、、、この転生の魔法、俺の生涯をかけて作った最強の魔法で俺はやり直す!!」
すると足元の魔法陣は光り輝きジョージの体を包み込む。
「これで俺は誰かの子供に転生し、新たな人生を歩める!!」
そしてジョージの体は塵も残さず消え去り、そこにあった魔方陣も同時に無くなった。
「で、俺は今ここにいるんだが、、、」
14歳ほどの少年は天井を仰ぎながら足をぶら付かせる。
「まさかこんな貴族の生まれになるとは」
少年、、、いや、転生したジョージの住む家は貿易で名を上げた名家であり、豪邸に広い庭もついたかなり恵まれた環境であった。
「しかも名前は転生前と変わらずジョージだし、、、まぁ苗字はウィックからウィンターに変わっちまったが」
するとジョージの部屋の扉がノックされる。
「誰だ!!」
「何よジョージ?ママよ!あなた毎回泥棒が来たみたいな反応するの止めてくれない?」
「ごめんなさい、母さん」
(ついつい前世の癖で暗殺を警戒しちまうなぁ、、、それにしても美人だなぁ。親子じゃなきゃ抱いてたんだが仕方がない。乳を飲めただけ感謝するか)
一応赤子からやり直していたジョージ、母がむちゃくちゃ美人であり、それが自慢であり転生で良かったことの一つでもあった。
「そう言えばジョージ、あなたの言っていたワンドが届いたわよ?」
「きたきた!!」
ジョージは部屋を飛び出し、キッチンに向かい。届いたワンドを手に取った。
「おー!!これはこれは、、、人工的な見た目をしたアーティファクトスタイル、、、持ち手にはレッドオークを使い、、、杖身には水晶を、、、継ぎ目も美しい、、、」
ジョージは30センチほどの片手持ちワンドを手に持ち、はしゃぎ回る。前世には殺しをしまくる毎日だったからか良く触れていた杖はいつの間にか趣味の一つになっていた。
「なんか良く分からないけど楽しそうね」
ジョージの母には分からないらしい。だがジョージにとってはそんなことはどうでも良かった。
「綺麗だなぁ、、、試してみても良い?」
「良いわよ。お庭でやってね?」
「OK!!」
ジョージは庭に行くとワンドを構える
「よーし、、、『ショット』!!」
呪文を唱え、ワンドを振る。するとワンドの先端から光弾が発射され、近くの木の枝をへし折る。
「決まった、、、」
「ジョージはほんと魔法が得意よねぇ、、、魔法学校に通わせようかしら?」
「そうかなぁ」
(まぁ前世じゃこれでターゲットの頭を撃ち抜いていたんだが、、、)
ジョージは前世の頃の血みどろの毎日を思いだす。
「ジョージ?魔法学校に興味ある?」
「もちろん」
「じゃあ今度行ってみましょう。ちょうど今の時期から学生を募集しているから」
「魔法学校かぁ、、、楽しみだな」
(前世になかった青春!!良いねぇ!!)
学校生活を想像し、夢を膨らますジョージ。そして次の日、早速魔法学校の試験を受けに行くのだった。
作品内設定紹介
主人公
転生前の名はジョージ・ウィック
転生後はジョージ・ウィンターとなった。
転生前は裏世界の伝説的な存在であり、主要な要人やマフィアのボスを秘密裏に葬り去っていた。そのため本人も多額の懸賞金がかけられている。また、魔法開発の才能もあり、自身に使った転生魔法の他にもさまざまな魔法を作り出したが表に出回ることはなかった。趣味は魔法開発、武器の手入れや収集。
魔力
この世界において人間を含むあらゆる生物の体に存在するエネルギー。人間などの知能のある生き物はそれを杖や魔方陣を使い実生活に役立てる。
ワンド
音楽で使う指揮棒のような片手で持つ杖。
この世界においては早く魔法を放てる反面、威力に欠ける武器という立ち位置。
ちなみに主人公ジョージの持つワンドの持ち手がレッドオークで杖身がクリスタルの組み合わせはあっちの世界ではかなりレトロな組み合わせでこっちで言うところのリボルバー的な立ち位置。最新モデルは持ち手が石膏で杖身がアメジスト。だが優れた使い手ならむしろジョージのワンドの方が威力を出しやすい。
『ショット』
初級魔法でありながら使い手の腕次第で無限の可能性を持つ。魔力の量より使い手の魔力の扱い方がもろに威力に現れる。
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