三話
私は慌てて応接室へ向かい、その扉を開けた。するとソファーに座っていた二人がこちらを見て、静かに立ち上がった。
「……陛下、お忙しい中お時間を割いていただき、感謝いたします」
「お久しぶりです。陛下」
先に会釈をして述べたのは、長身で赤い髪がよく目立つ若き領主アスミューセン・ハルトリンク。その隣に並ぶ小柄な女性は、私によく似た実の妹マリエだ。二人は夫婦で、揃って会いに来るのは数年ぶりのことだ。先日、うかがいたいという手紙は受け取っていたのだが、予定の今朝、獣人襲撃の知らせを受けて私はそちらへ向かってしまったため、時間が大幅にずれて午後の現在となった。汚れを落とし、着替え、こうして大慌てでやって来たというわけだ。
「かなり遅れてしまったわね……ごめんなさい」
「いえ、陛下のお忙しさは存じ上げておりますので、こちらこそ申し訳なく……」
「長く待たせてしまい、退屈だったでしょう? さあ、座って」
私は二人の向かいのソファーに腰を下ろし、そして二人も再び並んで座った。
「そうでもありませんでした。マリエがこちらでのいろいろな思い出話を聞かせてくれましたから」
アスミューセンは言って妻に笑いかける。
「私も、懐かしいお茶と菓子を味わっていましたから、退屈ではありませんでした」
マリエは朗らかな笑顔を私に見せた。机の上を見れば、底が見えるほど飲まれたティーカップと、皿の半分ほどがなくなっている焼き菓子がある。マリエは昔から甘い物が好きだったから、慣れ親しんだ王家伝統の味を存分に味わえた時間になったのだろう。
「あなたの甘い物好きは相変わらずのようね。……侯、あまりこの子に甘い物は与えないように。簡単に太ってしまうのだから」
「陛下がそう仰るのであれば、そういたしましょう」
「こ、これ以上制限する必要はありません。私はそうならないよう考えて食べています。陛下が心配するようなことは何もありません!」
子供のように慌てるマリエに、私もアスミューセンもくすくすと笑ってしまった。これにマリエは気恥ずかしそうにうつむく。
「わかっているよ。君が食べたい菓子を我慢していることは知っている」
「ちょっ、ちょっと、陛下の前でそんなこと……」
「陛下だなんて堅苦しいわ。久しぶりに会えたのに」
「それでは……姉上、今日は歓談をしに来たのではなくて――」
マリエは視線でアスミューセンに続きを振る。
「私共が置かれている状況をお伝えに参った次第で……陛下もすでにご存知ではありましょう。こう何度も申し上げるのはくどいこととわかっておりますが……」
笑みを消し、真面目な表情で言うアスミューセンに、私は座り直して向き合った。
「侯からの手紙や報告などで把握はしているつもりですが……」
我がフレンニング王国の領地は大きく三つに分けられる。王とその城がある中央領、海と森に近い東領ゲルズ、そして、妹夫妻が治める西領フィカネラだ。この東西領はそれぞれ自治が認められており、アスミューセンは最近その西領主の肩書きを引き継いだばかりだ。なので領内の問題解決に熱心にならざるを得ないわけだが、それにはもう一つ理由がある。
「獣人の襲撃は、未だに絶えませんか」
「はい。ほとほと困り果てております。近年は領民の数も増え、農地も必要となっています。そのため開拓を進めているのですが、それを狙うように獣人が頻繁に現れ、今年だけでも多くの犠牲者が出てしまっています」
私は頬杖を付き、深く息を吐いた。どこでも抱える問題は同じで、アスミューセンも襲撃で出る犠牲者に心を痛め、悩んでいるのだ。そんな状況を放っておくわけにはいかず、西領からはこれまで何度も報告を受け、こちらからは出来る援助もしたのだが、悪い状況は変わっていないらしい。
「兵の数はどうなっているの?」
「数は決して少ないわけではなく、撃退出来る力や技術も備えてはおります」
「それでも犠牲者が減らないのは、すなわち不十分な装備、ということね」
アスミューセンは無言で小さく頷いた。この問題もまったく同じというわけだ。
「やはり、対人間用の装備ではどうしても無理が生じてしまいます。獣人のあの硬い皮膚を貫くには、通常の刃では時間がかかり過ぎてしまいます」
「それは私も日々痛感していることよ。獣人に通用するのは、今のところルギルしかないということも」
「姉上、以前お手紙でうかがった時、そのルギルを自作するというお話をなさっていたと思うのですが、その後、どうなりましたか……?」
マリエのこの質問で、二人がわざわざおもむいてきた理由がわかった気がした。しかし、私は期待に応えてやることが出来ない。
「残念ながら、失敗して白紙に戻されたわ」
「失敗……ですか」
「それは、本当に残念なことです……」
二人は互いをいちべつし、暗い表情を浮かべた。方法が見つからず、私のルギル製作に期待を寄せていたのだろう。いい知らせで希望を持たせてあげたかったが……。
「私達の技術では及ばなくて……そもそもルギルに使われている材料が手に入らないのよ。羽人族領内でしか取れないものではないかって聞いているけれど、詳しいことは私達ではわかりようがなくて」
「ここには羽人がいますよね。その者に頼むことは出来ませんか?」
私はマリエに緩く首を横に振って見せた。
「駄目だったわ。向こうは何も聞いてくれなくてね」
「掛け合ってもくれないのですか?」
「いえ、長には伝えてくれているようだけれど、返事は毎回同じで、こちらに今以上に力を貸す気はないみたい」
「そんな……」
マリエは肩を落とし、呟いた。
「あまりに冷たい態度だ……我々人間は建国時の約束を忘れず、羽人族のために血を流して戦っているというのに、彼らは小さな望みの声も聞かず、ずっと傍観し続けるつもりなのか」
解決策が見出せない苛立ちからか、アスミューセンは語気強く言って歯噛みした。
「侯の気持ちはわかるわ。けれど無理強いは出来ないもの」
「では、陛下直々にお伝えすることは出来ないものでしょうか。長と顔を合わせ、自らのお言葉をお聞かせすることは……」
「会えるというのなら、そうしたいけれど……」
「姉上、どうか長と会い、力を貸すよう説得をしてはくれませんか?」
前のめりの姿勢になったマリエが真っすぐな目で言う。
「出来ることなら私もそうしたいわ。でも長は長年、フレンニング国王と会ったことがないの。おそらく、よほどのことがない限り、応じてくれるとは思えないけれど……」
「姉上! 何を仰っているのですか。私達にとって獣人からの被害は、すでによほどの問題となっているのです。それを長に直接訴えられるのは、王である姉上しかおられないのですよ」
マリエの大声に思わず私はたじろいだ。こんな様子を見せるなんて珍しい。それだけ危機感を持っているのだろうか……。
「王として一度会うべきとは思っているわ。でも向こうが了承してくれないと――」
「礼をわきまえるのは当然ですし、忘れてはならないことだけれど、あちらの都合ばかりに振り回されては何も変わりません」
「では、どうしろと?」
「その足で会いに行ってみてはいかがですか?」
私はマリエを見返した。
「何も知らないわけではないのでしょう? 私達人間は、羽人族領内に立ち入ってはならないと決められているわ」
「はい。それは知っています」
「その二種族間の決まりを、王の私に破れというの?」
「マリエ、それはさすがに無理だ。陛下にはお立場というものがある」
なだめるように言ったアスミューセンだが、その顔をマリエは不満げに見た。
「でもおかしな決まりではありませんか。私達はあちらの領内に入ってはいけないのに、羽人は姉上のいる城内にまで入れるのですよ?」
「それは、ルギルの管理をするためで――」
「それを抜きにしても、羽人が王国領内に立ち入ることは禁じられていません。そうですよね?」
困惑しつつ、私は頷いた。
「確かにそうだけれど、それはかつてここが羽人族に案内されて得た土地で――」
「だから自由に入れるというのですか? 先住民だからその権利があると? それはおかしいと思わないのですか? 現在は王国領となっているのに、なぜ私達だけが羽人族に気を遣わなければならないのですか」
私は何も言えなかった。そう言われれば、そんなふうにも思えてくる。
「私は小さな頃から不思議に感じていました。父上や周りの者達は羽人族との絆を強調し、親しさ、親密さを見せようとしていましたけど、私の目にはそういったものは見えませんでした」
「何を言っているの? 私達人間と羽人族は昔から協力を――」
「それです、姉上。二種族の絆を語るのはいつも私達人間側だけ。羽人族側が私達との絆を感謝したことなど今までにありましたか? それどころか私達を獣人族と戦わせているだけではないですか」
「それは、約束だからよ」
そう言うとマリエの灰色の瞳が刺すように私を見た。
「約束も結構だけれど、ではなぜ羽人族は戦いに協力をしてくれないのですか? それによって被害が出ているというのに、何もしようとしてくれないのですか?」
「私に、聞かれても……わかるわけがないでしょう」
これにマリエは首をかしげ、微笑を浮かべた。
「……何なの?」
「それが答えだと思うのです。羽人族のことを私達はわかってなどいない。そんな相手との間に絆なんて本当にあると思いますか? そう思い込んでいるだけのように私は思えるのです」
場に静寂が流れた。すぐに反論をしようとしたけれど、出来なかった。マリエの言葉には皆が見て見ぬふりをしていたものが混じっていたから……。
「……マリエ、あなたは王国が羽人族と親しくすることに反対なの?」
マリエは両手を振って否定した。
「そんなわけがありません。仲良く出来るのならそうすべきです。ただ私は、約束と言って戦い続けなければいけない現状と、それを変えようとしない羽人族の態度が気に入らないだけです」
居住まいを正し、マリエは私を見据えた。
「姉上は、獣人族との戦いをいつまで続けるつもりなのですか?」
「向こうが力尽きて、諦めるまで、かしら」
「それまで、どのくらいの月日がかかりますか?」
「わかれば計画も立てられるのでしょうけどね」
「つまり誰も終わりがわからない戦いということです。そんなものを羽人族は私達にやらせ、私達はその約束に従っているわけです。犠牲を伴いながら……」
マリエは再び前のめりの姿勢になった。
「姉上、民や兵がこれ以上疲弊する前に、この戦いを終わらせることは出来ませんか?」
「終わらせる? ……マリエ、あなたは私にどうしても決まりや約束を破らせたいの?」
「そういう意味で申し上げたのではなく、何も約束を破ることだけが戦いを終わらせる方法ではないでしょう」
私は考えながら言った。
「……長との談議の場を設けろと?」
「それが理想ではあるけれど、こちらの求めに同じお答えしか返ってこないという状況では、望みも薄いことでしょう」
「では、他にどのような終わらせ方があるというの?」
首をひねっていると、おもむろにアスミューセンが口を開いた。
「マリエ、もしや以前に私が話したことを言っているのか?」
これにマリエはにこりと笑った。
「ええ。気付かれましたか」
「しかしあれは個人的な、単なる妄想として話したことだ。現実に行おうとして考えたことではない」
「あなたはそうだったかもしれませんが、私はとても興味深いお話だと思いました。単なる妄想で終わらせることはないと思います」
二人を交互に見ながら私は聞いた。
「どういうことなの? ……侯、あなたが考えたことというのは何?」
「いえ、これは個人的な理想であり、陛下にお話しすることでは……」
「構わないわ。その侯の理想を教えてちょうだい」
逡巡を見せつつ、アスミューセンは私を見据えて言った。
「……獣人の襲撃には切りがありません。どうにか撃退しても、またどこからか襲いに来る……領民は皆、そのような日々に怯え、疲れております。ですからマリエと話している時に、私がふと考えたのです。元を絶てないものかと。そうすれば戦いは終わり、平穏も戻るだろう、と」
「姉上、いかがですか? このような方法も一考の余地はあると思うのです」
私は顎に手を置いて考えた。戦いに関しては無知なマリエだ。手っ取り早い方法としていい案と思ったのも仕方がない。一方のアスミューセンは戦いの厳しさを知っている。だからこれを妄想と言って現実味のない話と前置きした。確かにその通りではある。元を絶つと言っても、獣人族は羽人族以上に詳細がわかっていない。どうやら南の森を拠点にしているようだが、その詳しい位置も、総数も、どのような暮らしをしているかさえ把握していない。そんな相手の元を絶つと言っても、まずは調査、偵察から始めねばならないだろう。
その調査も、実は過去に何度か行われている。私が生まれる以前のことだが、獣人族を本格的に調べようと調査隊が組まれ、南の森へ送られたらしいが、護衛の兵士を含めた十人全員とも帰って来ることはなかったという。後に死体が見つかったというから、隊員は殺されてしまったのだろう。そんなことがあってから、獣人族の調査は今日まで行われていない。安易に踏み込めば獣人族は容赦なく襲いに来るということを王国は学んだのだ。
仮に獣人族の詳細が判明したとしても、最大の問題はここでもやはり戦力だ。獣人族の数がこちらより上回っていれば、それは元より話にならないが、下回っていたとしても、切り札のルギル十本で殲滅することが出来るかは疑問だ。それで押し切っても、こちらの被害は尋常では済まないだろう。獣人と戦うのなら、兵数が最低でも三倍は必要になる。あくまで獣人の数によるが、そうなれば全王国兵士を動員する総力戦となるかもしれない。そんな作戦、今の私には考えも出来ないが。
「陛下のお考えはわかっております。たった十本のルギルだけでどう元を絶つのか。それに伴う被害のほうが大きいと。ですからこの戯言はすぐにお忘れください」
アスミューセンが恐縮しながら言った。
「戯言だなんて……でも姉上、戦いなど永遠に続けるものではありません。必ずどこかで終わらせる必要があります。羽人族が傍観をするのなら、私達が……姉上がその終わりを作るしかないと思うのです」
マリエは真剣に私に訴えてくる。殲滅作戦はアスミューセンの言う通り、理想で妄想だ。ただちに行えることではない。しかしマリエの気持ちもよくわかる。延々と続く獣人との戦いを終わりにしたいのは私のみならず、すべての民が思うことだろう。けれど私はそれを建国時の約束とし、当然の事柄のように受け入れ、戦ってきた。しかしマリエに指摘されて、確かにいびつなものを感じた。私達は一体どれほどの時間戦わされてきたのか。守っているはずの羽人族の長は、この戦いにまるで関心がないかのように非協力的な態度だ。でもだからと言って一方的に約束を反故にすることは出来ない。我がフレンニング王国は羽人族の剣と盾になることを了承したのだ。それは最後まで守るべきだ。最後まで……そんなことを漠然と思っていたが、最後とはすなわち、獣人族の殲滅なわけで、現時点ではかなり難しいことだろう。だが不可能ではないはずだ。ルギルの数と情報が揃えば、決して妄想では終わらない話ではある。自分の手で戦いを終わらせるなど、これまで考えたこともなかったが、マリエの言葉で、それも可能なのではという気がしてきた。
「申し訳ございません。このようなお話をするつもりなどなかったのですが……マリエ、これ以上陛下を困らせてはいけない」
「困らせているわけではありません。ただ一考の余地があると――」
「侯、止めなくてもいいわ」
え、と少し驚いた目がこちらを見た。
「ただちに出来ることではないけれど、確かに、一考の余地はあるかもしれないわ」
「姉上……!」
表情を明るくしたマリエに私は言った。
「あなたの言葉で、当たり前という枠が外れて、私は気付こうとしなかったものに気付けた気がする。時間はかかるでしょうが、元を絶つ作戦、考えてみてもいいわ」
「本気なのですか、陛下」
「これは侯が望んだことでしょう? なぜそんな困り顔を浮かべるの」
「ま、まさか、陛下がこれほど本気で聞いてくださるとは思ってもいなかったもので……」
「本気になれるかどうかは、羽人族側と話してみなければわからないことだけれど……戦いなどないに越したことはないわ。王国が平和を得られるのなら、私はあらゆる方法を探っていきたいの」
「ありがとうございます。姉上」
マリエの笑顔に私は首を横に振った。
「礼を言われることはまだ何もしていないわ。作戦も決まったわけではないし、西領の窮状も解決出来ていない。そのための援助は今後も惜しまないつもりだけれど」
「領主として、そのことには心より感謝申し上げます」
胸に手を置き、アスミューセンは感情を込めて言った。
「大した力になれないお詫びというわけではないけれど、何か要望があれば聞くわ」
「要望など、こちらは陛下に援助をしていただけるだけで――」
「一つだけ、いいでしょうか」
マリエが夫の声をさえぎって言った。
「……何かしら」
「姉上からの援助はとても助かっていますが、それと同じくらい、今必要にしているものは、獣人に対抗し得る力です。ですから、ルギル製作には大きな期待を寄せていたのですが、それも消えてしまいました。そこで――」
マリエはこちらを見つめる。
「ルギルを、西領にお貸しいただくことは出来ないでしょうか」
私は瞬きをし、アスミューセンも同様の顔でマリエを見た。
「何を言うかと思えば……そんなこと無理に決まっているだろう」
「すべてとは言いません。一本だけでもお借り出来れば、兵達の戦いも少しは楽になり、士気も上がると思うのです」
その通りではある。あるのだが、ルギルを貸せない事情というものがこちらにはあるのだ。十本しかない特別な剣。それを持つ兵士を率いるのは女王である私だ。そしてその私も戦場へ出る。ルギルは獣人撃退の切り札だが、それと同時に戦う王を獣人から守る役割もある。それが欠ければ、当然王の守りは下がり、危険度は上がる。そういう点からルギルを王から切り離すことは暗黙のうちに避けられてきた経緯がある。それを提案しても、王を失うわけにはいかない臣下達が頷いてくれるとは思えない。
そもそもを言ってしまえば、ルギルは王国の所有物ではなく、羽人族からの借り物だ。その管理はイーロが城内で一人で行っており、保管場所も決められている。獣人との戦いのためとは言え、何も言わずに西領へ貸し出しては、イーロも対応に困るだろう。貸すにしても一言話しておく必要はあるが――
「いかがでしょうか、姉上」
マリエの視線がじっと答えを待っている。おそらくイーロは反対するだろう。羽人族の長のこれまでの反応を見れば、彼らは現状を変える気がないのだと思う。このまま人間は戦っていればいい――そんなふうに感じる。けれど――
「……私だけでは決められないことだわ。でも、話すだけ話してみましょう。認められない公算のほうが大きいとは思うけれど」
「そうですか……やっぱり難しいのですね……」
「わがままを申してしまい、失礼をいたしました。……マリエ、そう気を落とすな。陛下は変わらず援助をしてくださると仰ってくださったのだ」
アスミューセンは溜息を吐くマリエに身を寄せると、慰めるように肩を撫でた。どこの領内も皆、獣人に困り果てている。私が覚悟を持ってどうにかしなければならないだろう。だが、それには羽人族の協力が不可欠だ。その動かない壁をどう動かせばいいのか……今はそれが最大の難問と言えるかもしれない。
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