GL × Kiss
ふわり。
真夜中に
夜も深い頃、電気スタンドの頼りない光だけが、私たちを照らしている。
薄暗い中でも互いの存在をしっかりと確かめ合うように抱きしめ合う。
「あったかい…」
マナミが幼さの残る声で零す。
「マナミ」
抱き合ったことで私の淫らな欲望に火がついた。
「キス、しよ…」
向き合ったマナミは幼さの残る顔を綻ばせて、うんと頷く。
「ん……」
まずはいつもしているような愛情を示す口づけ。
唇を合わせると、甘ったるい幸福感で頭の中が満たされていく。
マナミと結ばれてから今まで、何度もキスをしてきたけれど、すればするほどに欲求は風船のように膨れ上がって、もっとしたい、と駄々をこねる。
これじゃあ私の方が子どもみたいだな、と目の前の小柄な少女を見て心の中で自嘲する。
「リサさん…」
マナミが求めるような目をこちらに向ける。
頬は朱色に染まり、空を映したような瞳は揺らめいている。
「マナミ…」
私は堪らなくなり、再び口づけをする。
今度は先ほどの、愛情を示すような口づけではなく。
「んぅ…」
互いの口の中で、舌と舌とを這わせる。
くちゅりくちゅりと音を立てるその行為に背徳感を覚えるが、それがかえって私の鼓動を昂らせた。
「マナミ…!」
愛おしい少女の名前を呼んで、もっと強く相手を求める。
「リサ…さん……」
抱き合っていた両の手を互いに合わせ、指を絡ませて握る。
息が苦しくなるほどに求め合い、段々と呼吸が荒々しくなる。
「ふぅ…ん…!」
どちらのともつかない唾液が舌の上を伝い喉を潤す。
閉じていた目を薄ら開くと、必死になって口を動かしているマナミの顔が映り、それがまた愛おしく感じる。
もっとしていたい……。
けれど呼吸を整えさせてあげようとゆっくり顔を離す。
舌先で繋がっていた糸が厭らしく垂れていく。
「はぁ……」
小さな肩を震わせて空気を肺に送り込むマナミ。その瞳はほのかに潤い、顔は上気してじっと私を見つめている。
もっとしたい。その先まで……。
でも、私の理性が崩れ落ちるギリギリの所で。
「……夜も遅いし、もう寝ようか」
お互いに、もう少し大人になってからの約束。
マナミは名残惜しそうに空色の瞳を揺らしながら、うん、と消え入りそうな声で頷いた。
「大好きだよ、マナミ」
心からの気持ちを言葉にして、マナミの髪に優しくキスをする。
マナミらしいふんわりとした甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「私もだよ、リサさん」
マナミも私を真似て、私の髪に優しく口づける。
「おやすみマナミ」
「おやすみなさいリサさん」
電気スタンドの明かりを消して暗闇に包まれる。
抱きしめ合った温もりを感じながら私たちは眠りについた。
GL × Kiss ふわり。 @kaz-yan7
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