禁止すればするほど豊かになる生活〜モテたい俺が“オナ禁“をしてモテ男に成り上がる〜

こいしのせせらぎ。

第1話 禁欲する。不思議な機器が届く。

男というものはなぜ、自分磨きをするのか。

なぜモテたいと思うのか。

それは無論、女性と致したいからである。




人間には3大欲求というものが生まれながらに備わっている。


食欲、睡眠欲、そして、性欲。


俺、遠嶋泰斗とおじまたいとはその欲の比率が1:1:8といっても過言ではないだろう。


毎日学校が終わっては足早に家に帰り、pcのエロゲを開いて推しのヒロインである雫沢ミコちゃんをオカズに致している。


「うわ、このシチュさいこー、、、」


息子を激しく擦る手は止まることを知らなかった。 何度も何度も回を重ねても、おれの息子は元気満々であった。



「ふぅ、、」


先程の激しさとは裏腹に訪れる静寂。

自分は何故こんなことに時間を割いているのだろうという後悔。


もはや毎日のルーティンと化しているほどの行為のあとに、ふと訪れる一つの疑問。


「なんで俺こんなことしてんだろ、、、」


考えに考えても、答えが出ることはなく、あとに残る多少の虚しさが襲いかかる。


「俺、こんなんじゃダメだよな」


変わりたい、そして、周りからチヤホヤされたい。そんなこと最初からわかってるはずなのに、今日まで行動に移すことは一回もなかった。


「よし、自分磨きをしよう。 カッコよくなって、周りを見返してやる」


いつもいつもそんな戯言を並べてばかりで、自分を変えようとしてこなかった。


でも今回は、違う。



「まずは、ネットで情報を集めよう」


自分の息子をズボンに収め、ネットを見ようと、マウスに手を伸ばす。



「なになに。外見を変えるために筋トレを行う、ヒゲを剃ったり、最低限の着こなしを身につけたりし、清潔感をだす。」



「うわ、全部めんどくさそ」


さっきまでの威勢はどこに行ってしまったのか。 一瞬にして心が揺さぶられてしまった。


「もっと他にいい方法ねぇのかよ」


検索ブラウザでヒットした情報を隅々まで見る。


そんな中、こんなウェブサイトを見つけた。


「NM market...? なんだこりゃ?」


ページを開いてみるとオナ禁のメリットデメリットについて書かれているよくあるウェブページであった。


「オナ禁かあ〜。俺にはぜっったい無理だなww」


一応ページを読み進めていると、こんなことが記されていた。



『モテたい、自分を変えたいそこの男性のあなたへ、下のボタンをクリックして無料で最強のオナ禁ライフをめざしましょう』


その下のでかでかとしたボタンにはNMS type. phone & watchを今すぐ取り寄せる、と書かれていた。


「何だこれ、みるからに怪しいなw」


戸惑いはありつつも、恐る恐るボタンにカーソルを合わせてクリックする。


その瞬間、玄関の方からチャイムが鳴る。


ピンポーン。


「うーん? 誰だろう」


母と父は仕事に行っており、妹も学校で部活をしているので家には自分しかいなかった。


部屋を出て、階段をかけおり玄関のドアを開けると、そこには誰も立っていなかった。


「はぁあ? 今の時代どこのクソガキのイタズラだよ? 姿を現したら怒鳴りつけてやる」


わざわざ外に出たのにも関わらず、ただのイタズラだったのかと腑に落ちて地面を見ると一つの小さめな箱が置かれてあった。


「あ? 何だこれ?」


その箱にはNM marketと書かれて自分宛てに届いていたようだった。


「は? さっきポチったやつか? だとしたら何でこんなに速く届いてやがるんだ」



中身が何なのか恐れながらも、自分の部屋へと荷物を運んだ。


「どれどれ、ちょっと開封してみますか」


蓋がガムテープでしっかり固定されているため、カッターで切れ目を入れて中身を確認する。


「なんだこれ? スマホと、、、スマートウォッチか?」


中には一枚の紙と説明書らしき紙が付属していた。


『この度はNMS(No Masturbation System)

を取り寄せていただき、ありがとう御座います。本商品にはお客様情報が事前に登録されており、お客様のマスターベーションを禁止する日数や行動に応じて、NMP ( No Masturbation Point)を貯めて弊社から特典を得られるシステムとなっております。それによって、従来のマスターベーションの禁止よりもさらに効果を得ることができます。尚、禁止日数によって贈与する特典の詳細は、裏面に記載しております。お客様のQOLを向上させるサポートになれると幸いです。 今後とも、NM marketをよろしくお願い致します。』



何だよ、、、これ? 内容的に俺以外が頼んだとも思えないし、ウェブサイトの名前と箱に書かれている”NM market“っていうのが一致してる



だとしても、届くのが速いとかいうレベルじゃない。押した瞬間届きやがった。気味が悪い。



とりあえず、中の商品を開封してみることにした。それぞれの箱を開けると、本当にスマホとスマートウォッチが入っていた。 


使い方すら分かるわけがないので説明書に目を通す。


『まず、お客様にはNM watchを取り付けて頂きます。本商品には、お客様の行動を読み取る機構や充電が不要な永久的使用可能高性能バッテリーを搭載しております。一方、NM phoneには特典を得たりミッションや行動を記録するアプリが搭載されております。こちらも同様、NM watchのようなバッテリーを搭載していますので、充電は不要です。』


意味がわからねえ。そもそも永久的使用可能バッテリーって何だ?そんなもの作れる技術が現代にあるのか?まぁ、そんなこと言ったらさっきの荷物が届く早さもそうだが。


疑心暗鬼になりながらもNM watchを取り付け、NM phone も開いてみた。












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