カーテンの余白

このうえなくばかげた夏の日に

厚顔無恥な初老の男は

優雅で軽妙な物語を語り聞かせる

農学士の娘の麦わら色のカツァヴェイカ


お天道様は生粋の包み紙

取り残された左利きの美食家が

重々しい富士山フジヤマの哲学を振り絞る

街外れの大学のあわれな猛禽類


創造産みの苦しみはすてきな代物

ライラック色のカーテンの余白は惰性を無化する

駆け足が禁じられた戦争と


創造産みの苦しみはすてきな代物

生まれながらの俳優 最終バスが取り乱す

ねえ みなさん あとの祭り

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