マジシャン

こリス

ある男の子の体験談

俺は病気だった。



でも入院中に、あのマジシャンが来た。



あのマジシャンは、魔法を使っていた。


嘘でもなんでもないし、タネだってない。

あのマジシャンが使う魔法は機械で作ったれっきとした魔法だった。



あのマジシャンが使う魔法は、電気と炎。



抽選でたまたま選ばれた俺に魔法を見せてくれた。




そして最後に土産をくれた。




充電すると暖かくなったりする手袋。


内容としてはいまいちだけど、見た目がとてもかっこ良かった。



しかもマジシャン手作りだ。


俺のために、特別に作ってくれたらしい。

照れ臭いけど、感動した。



だから俺は病院から卒業できた。





俺は、一生あの病院から出られないと思ってたが……。





あのマジシャンは、俺の更正のきっかけになった。


だから、窃盗と強盗というスリルの中毒からも抜け出せたんだと思ってる。












でもやっぱり少年院からの卒業……それくらい嬉しいことはなかったさ。














さあ、この子の体験談はいかがだったでしょうか?

まあ、実際は抽選ではなく、一番悪い子に魔法を見せ、更正させようっていうだけですけどね。

まさかあの病気が治るとは思ってなかったです。

私ーーメカマジシャンでも。

では次は、私の過去の話でもしましょうか。

長くなりますが、寝ないでくださいませ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る