ぷにゃじの激辛戦記~辛辛魚編~

ヤンデレ作品大好き家族

辛辛魚完食伝説記~前編~

 私は、この重大な出来事を次世代に向けていま発信せねば今後の人生においても絶対に後悔するだろうと思い、この記録を制作した。手段は何でも良いので、拡散してくれると助かる。


2023年2月19日午後9時過ぎ。

それは、一瞬の出来心だった。と同時にワクワクする気持ちがまるでアイスランドの間欠泉の如くどんどんと湧いていった。

今推しているVtuberがもうすぐライブ配信が始めるからだ。

彼女のYouTubeに上がっているライブ配信の企画の内容は、


 ”激辛インスタントラーメンを完食する”


といったもので数多あまたのYoutuberや投稿者が挑戦した動画がたくさんアップされている。つまり、彼らにとっては当たり障りのないことだ。

「何だよ、匂わせておいて期待外れじゃないか!」とこのノートを手にし読んでいるそこのあなた、待ってくれ!この話にはまだ続きがあるんだ。

実は、彼女のからだと心は激辛に耐えれなくなっていたのだ。

 遡ること、1年前。YouTubeで動画をペヤング獄激辛シリーズの麻婆味を完食するまで配信するという企画であったが、この獄激辛のソースがあまりにも辛く体調を壊す恐れがあり一歩間違えば死に至るのではないかと言われ、良くも悪くも話題性を持った超ヤバイ激辛焼きそばだった。

 視聴者の中には、もしかしたらこの焼きそばの影響で本業の活動が休止になるかもしれないと本気で焦った人もいただろう。私も実際インスタント麺がこの世の終わりみたいなドス黒い赤褐色に変化してしていく地獄を見て”ただの自殺行為やん…。”

と彼女に失礼極まりないが本気でそう思ってしまったのだ。

 しかし、彼女はゆっくりながら味変して食べ進み1時間以内で完食した!喉や胃腸を犠牲にしながらも獄激辛に打ち勝って見せたのだ。この功績は私も視聴者も拍手が鳴り止まなかった。その彼女の名は「ぷにゃじ」。私はこの動画以降彼女を強く推すきっかけとなったのだが、彼女はドクターストップがかかってしまい止めざるを得ない状況にまで追い込まれ、激辛を軽快に食べていく動画はそれ以降1本もなくもう見れないのかと思っていた。


そんなある日のこと、彼女のツイッターからこんなつぶやきがあった。

「辛辛魚買ってもうたので配信でたべるか…」

そうそれが、今回の対決相手でもある辛辛魚なのだ。

 辛辛魚ラーメンは、主に愛知や静岡など東海地方に拠点を置くラーメン食品会社の寿がきやが提供する激辛インスタントラーメンである。

 ブログの記事からは、「食べて5秒で汗だくになる」「少し離れた場所でも、強烈な香りがただよう」など書いてあるように、もはやラーメンではない何かと化しているのだ。

上記にも書いた通り、ドクターストップがかかっているので、身体が辛さに慣れていないのにも関わらず、リスクを省みず身を挺して激辛に挑もうとしていた。

消極的ながらも「激辛完食」という達成感の為に多くの犠牲を代償にして闘いに行く彼女の背中は、今ロシアと戦っているウクライナ人兵士、まさにそのものだった。

だが、それを微塵も感じさせなかった。流石プロフェッショナルの塊である。

私とその他の視聴者は無事を祈り、固唾を飲んだ。大丈夫だ。きっとやれると……。

そんな異常な光景を目に、ぷにゃじは淡々と辛辛魚を食べていくのであった……。


← to be contined……























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