高僧レベルの幼少期

第16話 デフェラーのように

 早いものでもう三才になるよ。

 普通に歩き、普通に子供言葉で話す、普通の三歳児だ!


 修行もかなり上手くいっている。

 オーラの移動なんて、今では夜寝る前の十五分くらいで出来る。


 なんなら身体中色々回して遊んでたりもする。

 

 そしてでできた副産物。

 

 身体中にオーラを纏わせてると少しだけ身体が軽くなるんだ。


 もちろん、体重がじゃないよ。軽い身体強化みたいな。

 化け物レベルで強くなるわけではなく、三歳児の割に力強いなぁくらい。


 で、今日!


 遂にテニスに参加するんだ!


 本当はもっと前から朝走ったり、体幹トレーニングしたりしたかったんだけど、ママが不思議がったらダメだなぁと思ってできなかった。


 俺、今僕って言ってるんだよ?


 うん、僕で統一しよう。


 で、テニスを始めたら自然とトレーニングもできるんじゃないかなぁって思って。


 『僕、テニス上手くなりたいんだ!』みたいな


 「あら? 俊ちゃん。もうお出かけの準備できたの? 偉いわねぇ。そんなに楽しみだったのかしら?」


 「うん! ママ! この前テレビでテニス見たでしょ? あれから僕やりたくて仕方なくて! 今日は本当に楽しみなんだ!」


 「そうねぇ。目を輝かせて観てたもんねぇ、俊ちゃん。でもまだ早いと思うんだけどな、ママは。」


 「だ、ダメだよ! ママ! だってテレビでデフェラーが言ってたよ! 『僕は三才からテニスを始めた』って!」


 「あら、あの試合よね? そんなこと言ってたかしら? まぁでも確かに運動は三才からっていう方もいるものね。うん、楽しんでできたらいいか!」


 「うん! 楽しくやるよ!」


 あっぶねえ!

 あの試合の後、デフェラーは英語でインタビューに答えてて。

 通訳ついてなかったんだよなぁ。

 自然に英語理解してたから……。

 ママは英語分からないしな。


 気をつけよう。


 そして、テニスクラブに着いた。

 ここは岡山っていう地方の割には育成に力を入れてるっていうテニスクラブ。

 北テニスアカデミーっていうところ。


 僕はもちろん育成コースに入る予定だよ!


 楽しみだなぁ、テニス。

 前世の大学からやってないからなぁ。


 早くテニスボール打ちたいなぁ。


 「ようこそ! 北テニスアカデミーへ! お待ちしてましたよ! 黒木さん!」


 「はい、黒木と申します。この子が俊介。育成コース希望でございます。何卒宜しくお願いします。」


 「黒木俊介です! デフェラーのようなテニス選手になりたいです! よろしくお願いします!」


 一生懸命自己紹介した。

 こういうのは最初が肝心だからな!

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