第7話 神との繋がり

 気がつくと大分時間が経っていた。

 もう外は真っ暗だ。

 それでも全く眠くならないし、チグルもこれからの話を聞いていないのか、集中した目をして立っていた。


 「いつものように自分の中のオーラを感じてな、移動をさせようとした時だった。オーラの元になっていた第七チャクラが少し溜まっていることに気がついたのだ。三十年以上溜めていた第四よりもな。」


 「第七に? どうしてなんだ? 元になっているのは分かったけど、溜めたことなかったんだろ?」


 「そうだ。オーラには色があってな、第七は紫色だ。そして第四は緑。だから私は紫から緑に変える修行をしていたのだな。しかしな、その日何故か紫の光が強くなっていることに気がついたんだ。緑に近づけているのにも関わらず、強い紫だった。だからな、身体中にある自分のオーラを第七に溜めてみよう、そう考えたんだ。」


 色かぁ。

 なんだかすげーファンタジーな感じだな。

 俺には全く分からないけど。


 「移動を開始して少ししたらな、昔から第七に移動をしていたことを思い出したんだ。それも何百年もな。そして認識したんだよ、シャマルを。いつの時代のシャマルも、常に第七にオーラを溜めてたんだってな。だから記憶はないが修行内容の記憶が戻った、そんな感じだな。そのあとはすごかったぞ。上の人間に伝えたところ、色々調べられてな、私はシャマル•リンポチェだと公表されたのだ。」


 「なるほどなぁ。そういうことなら認識したっていうのも分かるよ。それで? 俺はどこに関係があるんだ?」


 「まぁ落ち着け。これは今まで誰にも伝えてないことだからな。私も緊張しているよ。」


 「そんなにか……。なんか緊張が俺にも伝染してきたぞ?」


 「僕にもです……。本当に僕が聞いていてもいいのでしょうか?」


 久しぶりにチグルの声を聞いた気がするな。

 な、緊張するよな?

 

 「第七チャクラは『神との繋がり』だ。それはさっき伝えたな?」


 ゴクリ

 

 唾を飲み込み俺はうなづく。


 「神様とな、少しだけ繋がったんだよ、私は。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る