第十九話

「ねぇ!皆で夏祭り行かない!?」

そう、言ったのは優花だった。

「良いね。私達も、せっかく付き合ったんだし、デートもしたいな」

そう、言ったのは冷だった。

「そうだな」

そう、言ったのは両だった。

「パス」

そう、無慈悲に言ったのは俺だった。

「この時期ら辺、予定が立て続きにあるんだ」

「えぇー!もう!じゃあ空いてる日あったら、教えてね!すぐ遊びに行くから」

「わかった」

さて、今日も、家に帰って…。

ゲームでもしますか。


ヤッバイ、やり始めたらもう、どハマりして、もう二周目やったよ。

こんなに、どハマりするゲームは初めてだ。


それから俺は、24時間ぶっぱなして、トイレも飯もエナジードリンクなどを行わなずにゲームをした。


2日目。俺は、学校があるにも関わらず、ずっと寝ていた。

そしたら、急に体が重くなった。


「ん…。ここは…?そうか、俺、ゲーム丸一日やってたんだ」

「…」

「さて、起きよ。あれ?重い。何故だ?」

「…」

俺は、俺の体の上に目を向ける。

「…。優花こんなとこで何やってんだ。」

「…」

優花は俺が仰向けになっている俺の腹の辺りに、座っていた。

「嘘つき。全然、予定何か無いじゃん」

「ごめん。屋台とか、花火とかよりも、ゲームが最優先だった」

「酷い」

「許してくれ、ほら」

俺は優花の体に腕を回し、抱き寄せる。

「ごめんな」

「酷い…。ぶー」

「ごめんって」

「許さない。だから、もう少しこうさせて」

全く、俺の彼女はめっちゃ可愛いな。

「優花ちゃん。お茶持ってき…」

「「あっ」」

「オジャマシマシタ」

「ちょ!違う!誤解だ!」

「チョットナニイッテルカワカラナイ」

「母さん!正気になれ!」

「アラ、ユウカチャンモウオカアサンッテヨンデクレタノネ。マゴノカオガタノシミダワ。」

「あああ!もう!母さん!」

その日、母さんが正気に戻る事は無かった。

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