第五話
俺は教室に戻ると、何故か、寒気がした。
何だ…?嫌な予感が…。
「太郎、どしたー?」
「何でも…」
だがこの予感は、見事に的中した。
「あれ、太郎君じゃん!やっほー!」
聞き覚えのあるその声に振り向くと、さっきの、女の子が。
「何で…俺の名前を…?って、お前、このクラスか…?」
「うん!」
「えっ…?」
嫌だ。
心の底から嗚咽がしそうで、俺は顔を青くてし、口を手で押さえた。
「何で、そんな嫌そうなの!?」
「いや、見間違いじゃない?」
「いや、現在進行形で嫌そう」
「うん」
「あぁ!言い切った!ダメだよー。女の子にそんな顔しちゃぁ」
「うん」
「本当に分かってる?」
「分かってるよ」
これから、めんどくさくなるだろう。
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