第22話英雄の修行中の話 その3

場所エルデバラン


登場人物

ゴトー18歳

機動騎士団 フェレーゲラ

査察長官 ミッターヘイデン

諜報長官 ゲルサンダー


【本文】

報告の続き


西山の迂回路8日目にやっと護衛対象が彼らだと気づいた

芋の葉を知らない護衛はいない、緊急食材が街道横に植えてあることは常識だ

実は彼ら10人が護衛対象者でゴトーが一人で護衛ならこれまでの彼らの行動も理解できる


アルボレナの作物を知らない

2頭立てで進むことも知らない

14時間勤務で交互に向かうことも知らなかった

狩猟はできない

保存食は作れない

保存食料も持ってこない

そして街道の芋にも気づけないとは考えられない

ゴトーが護衛だったのだ


ただ護衛対象者もゴトー1人で10人を送り届けよと命令を聞かせてほしかった

48時間連続勤務をしているゴトーなら6時間だけ休む間だけくれれば、護衛対象者全員で対処する進め方でよかった

街道中の芋は10人分もない、狩猟も10人分を一人で調達しないといけないというのはかなり高い難易度だ


これは提案だが魔法剣士8人で北に3日が巡回範囲のアルボレナ国境で、10人の護衛対象をゴトー1人で進ませる計画はあまりに負荷が高い、これは再考をしてほしい

今回は毎日4人分の狩猟をしつつ、48時間勤務を6時間の休息をしつつ14日続けたが運転手が狩猟中に亡くなり3人の護衛は失敗した


途中の分岐から15mのサイクロプスに追いかけられ、ゴトー1人での護衛に限界が来た

護衛対象者は3名になってしまったが、狩猟に不慣れな護衛対象者に狩猟を行ってもらうほかなかった

これで護衛対象者は2名になった

先発して2名はエルデバランに送り届けてもらった


出発前にあらかじめ

『使者になられるか、途中で死者になられるか、あなた方の行動次第ですよ』

【アルボレナ時間で動きます】

【私たちが暮らす西南の滞在状況と同じ行程にします】

安全快適なエルデバランとアルボレナの果ての状況を身をもってどういう状態かわかってもらうため発言だった

彼らが護衛対象だと気づくのが遅すぎた

アルボレナで4名は死亡、途中で1名魔物に襲われ死亡、崖から2名馬ごと転落して死亡

分岐からは狩猟中に転落して1名死亡の結果に終わった


エルデバランの兵士が一人で10名の護衛をしつつ、10人分の食料調達をしつつ、この迂回路を70日で通過しながら輸送を担ってくれているとは知らなかった

2名で昼夜交代で進むのではないのか?


15m、10mのサイクロプス、10mトロールはこの国が壊れる剣で討伐できた

それより非常に狩猟での使い勝手が良い、30kgまでの動物は5歩以内に動けなくなる

大きな2mの熊も討伐できるぐらい使い勝手が良い


エルデバランから派遣された護衛対象者、フェレーゲラとゴーグの報告を合わせて処分を受けるつもりだ


報告終わり


これまでうまく任務をこなしてきたと思っていたがまだまだひよっこだった

記録官が寝たので『5.記録しない記録官は全員死ねと要望する』を追加する

要望した『1.24時間起きれないような使い物にならない奴は今すぐ死ね、まずは24時間起きていられないミッターヘイデンとゲルサンダーだと要望した』というのを書こうとしなかった


自分で要望は自分で書くことにした

紙に0から5を書いてバラン、バーキュラという人物に面会を求めてみよう

バランに説明しろということなら説明はしようじゃないか

ミッターヘイデンの命令は聞く必要がない


記録官は馬のことも半分も書いていない

ゴトーは自分の要望0から5を紙に書いて、着てきた皮の鎧の前面に貼り付けをした

後は呼び出した本人に報告すれば終わりだ


護衛対象者が10人いたことに気づけず、8人は亡くならせてしまったが48時間索敵を6時間睡眠のあと14日は続けた

それで指示したやつが24時間も起きていられないとはどういうことだ??


ゴトー

『要望がお聞き届いただけないのでアルボレナに戻ります』

そういって、上に書いた報告書を4時間後に提出した

『討伐内容、詳細はフェレーゲラ氏とゴーグ氏に聞いてくれ』


起きている記録官が扉の前に立ちふさがったので、『要望通り死ぬのか??』

記録官ごと400%のフェンリルで扉を破壊した


さて堂々と正面の門から出ていく前に、呼び出した本人には説明しよう

『バーキュラ様はいらっしゃいますか?この国を壊す剣の説明に参りました』

要望は書いているのに誰も取り次いでくれない


大きな音がしたので扉から人は次々出てきたが、ゴトーが頼んでも誰も取り次いでくれなかった


就寝した部屋から来た道を戻ると今度は騎士がやってくる


ゴトー

『バーキュラ様にこの要望をお伝えしたい、この国を壊す剣の説明に参りました』

『私の馬の要望がかなえられません、アルボレナに戻ります』


騎士たちは後ろからもやって来た、取り囲まれたってやつだな

『まず抜刀は王宮では禁止だ』後ろから声がした


そういえば抜刀していたな、それで取り次いでくれなかったのか

ゴトーは納刀してから

『バランから国を壊す剣の説明にエルデバランに来いということで参りました』

『説明の後は馬の要望がかなえられないのでアルボレナに戻るとバランにお伝えしてください』


『王宮にそもそも招かれたのか』と聞こえた


ゴトーは何かのリミッターが外れた

『俺の開発した剣の詳細を話してくれといわれたから来たんだ』

『バラン命令だから来たんだよ』


【おい そこのお前、お前はバラン命令に逆らう反逆者だ】

【この場で切り捨てる ご覚悟】

抜刀して首は吹っ飛んだ


後ろの方から【おーーーい 待て 早まるなーーーー】

この声はミッターヘイデンだ


ゴトーはそのまま抜刀しながら

【おい ミッターヘイデン 馬の要望は叶えないとエルデバランにはいないといったじゃないか】

『この嘘つき、要望を発表後、全員殺してやる』

【罪状はバラン命令への反逆だ】

ゴトー

『要望だ』


0。6人分の狩猟をしつつ48時間勤務を14日間頑張ったが護衛任務は失敗した、どうやるか教えてくれ

1。24時間起きれないような使い物にならない奴は今すぐ死ね、まずはミッターヘイデンとゲルサンダーだ

2。アルボレナの商人のように14時間働け、できない奴は死ね

3。エルデバランの女性はこれからゴトーの母のように5年間休みなく毎日15時間働かない奴は死ね

4。ゴトーはこれまで10歳から勉学で18時間、15歳からは18時間、索敵と商人として働いてきた

同じように18時間の勉学をしない奴は死ね、男性は15歳以上は18時間働かない奴は死ね

5。記録しない記録官は全員死ね


ゴトー

【フリーズムーン】


『5の要望はかなった』

『そもそも馬への要望をたった1日24時間しか話していない』

『索敵は最大で24時間勤務 6時間就寝で次の索敵12時間だ』

『それが上限と決まっている』

【俺は48時間勤務6時間睡眠を30日以上続けてここまできたぞ】


『人にやらせるなら、先に自分がやって見せろ』

『亡くなった父からよく言われたことだ、ミッターヘイデン』


『お前は24時間起きていない、途中で寝で俺の馬の要望を聞いていない、ゲルサンダー、おまえもだ』

『お前も含めて俺の開発した装備の話を聞かせろというバラン命令に逆らっている』

『邪魔している君たち全員を殺し、バランに説明する』


ミッタヘイデン

『わかった お前ら全員持ち場に戻れ、『戻れ』 【戻れーー】』

動けるわけないでしょフリーズムーン使ったんだから

『今すぐ離れろ 全員死ぬぞ』


『ゴトー2日待て、アルボレナに戻る前にバーキュラ様に会ってもらう』

ゴトー

【バラン命令に逆らったやつは、即処刑と馬の要望の間に話したぞ】

『聞いていなかったのはお前が24時間起きていなかったせいだな』

ミッタヘイデン

『君のことは少し理解できた、ゴトー、君はもう28時間勤務だ』

ゴトー

『私は48時間連続勤務中だ』

ミッタヘイデン

『待て、ちょっと待ってくれ』

『動けないんだ』

『いや休め、いや馬だ 王宮の厩舎に案内する』

ほう 要望がかなった


フリーズムーンは100mの円形範囲ををすべて氷漬けにする

誰も助からんよ


ゴトー

【リリース】フリーズムーンの魔法を解除した

『王宮の厩舎で寝るという要望が叶いましたね』

『寝ていたのに話を聞いていたんですね』

『バラン命令に逆らったやつは、即処刑と深夜の2時に発言しましたよ』

『寝ていたので話を聞いていなかったんですね』


『人の話はよく聞いたほうがいい、たった48時間ぐらいはな』

『ミッターヘイデン殿、王宮の厩舎まで案内をお願いします』


王宮の厩舎に案内されて向かった

馬の紹介を受けた、、、、えへへへへ、ハーレムだよおおおおお

うほほーーーい、王家の毛並みのいい馬120頭もいるよ


2日後バーキュラ様に無事面会できた

面会した時に、馬の要望をほんの48時間した、幸せな時間だった

エルデバランでも馬の話をすれば幸せになれる

顔はとてもにこやかだったと思う、実に気分がいい


流石バーキュラ様、他のポンコツたちと違い起きていた

面会をした部屋にいる全員が48時間の徹夜を普通にこなした

まず最低限のマナー『人の話を聞く』ができる人たちだ

ゴトーの要望は48時間後から話した


2日寝れない事態はアルボレナ西南ではある、エルデバランの最大24時間勤務が守れない

なぜ2日48時間かというと夜間索敵で2日徹夜することがあるからだ

兵士がいれば交代してくれるが当初から0人だった

兵士がきてくれればこの問題は解決する


バーキュラ【対策を実行した】


人に仕事を振るなら自分がまずしてみろ、私の亡くなった父がよくいっていた

私は索敵で24時間起きていることがある、それなら24時間ぐらい起きて当たり前だ

その私を呼び出して途中で寝るとは何事か?そう思いました

その人物から『こちらに滞在です』ともいわれた

自分は守れないくせに、俺には何かを守れということだ


エルデバランまでの移動の報告はした


馬の要望が通らないのでアルボレナに帰る、最後にバランに面会したい

これもかなわない、騎士と兵士で取り囲んだ


あなたの命令通りきた、それを認識してほしい

それもかなわない


馬の要望がかなえられないならエルデバランにはいない

これも要望だったが寝てて記録していなかったものな

たった24時間勤務で人の話も聞かないのか


こちらにいる理由はもうなにもない

ただ例外はある

これからいうことを【了承】してほしい


母スペイドは5年間休みなく360日中360日働いていた

時間は朝6時から21時まで15時間働いていた

私の母がそうやって魔法剣士の学校の費用を払ってくれたからだ


女性についてだ、子供が妊娠から5歳までは勤労を免除する

子供のいる女性は6歳から9歳までは週2日は14時間働け

妊娠していない女性は毎日休みなく14時間一生働け

15歳以上は妊娠しない限り全員5年間休みなしだ


バーキュラ【了承した】


ゴトーは10歳から18の今まで勉学の前後含めて18時間は勉学と訓練と勤労をしていて休みは索敵空け以外にはない

男性は5年間休みなしで一日14時間仕事と勉学に励むこと

ゴトーが今やっていることだ、誰にでもすぐにできる

18時間はエルデバランの交代業務が14時間なのでわずか14時間でよい

15歳から一生休みなしで死ぬまで14時間は働け


バーキュラ【了承した】


ゴトー

『やっとたった48時間の馬の要望を聞いていただけました』

『エルデバランに滞在して誰でもつかえる精霊剣が、エルデバランの人間の登録者だけが使えるようにする』

『バーキュラ様からの拝命は謹んで承ります』


バーキュラ

『フリーズムーンという魔法とは何か?』

ゴトー

『索敵範囲内の魔装備者以外を即座に全員殺す魔法です』

バーキュラ

『大儀であった』


ミッターヘイデンのシナリオ通りだ

3

俺を悪者にしろ

実施するとは言えない、容認もできないが、意見を聞く了承はできる

ゴトーの要望はバーキュラに了承させる

死ねはどうやっても駄目だ、それは削れ

もう西南は正常化した、これまでの問題だった点を話せ

フリーズムーンのことは質問されるから話せ


さてゴトーにはゴトーの秘書ということで天使の生まれ変わりかと思うような女性が18人程身の回りの世話としてつけてくれた

4時間働いて交代を繰り返す、必ず2名は部屋にいる

身の回りの世話、、R15出かけることからR21でも書けないことまでお世話になった

のちにこの中の女性の娘が妻になる

ただ女性でゴトーは釣れない、馬をよこしなさい


馬のいない生活は2日で飽きた、ずっと厩舎で馬の面倒を見ている

王家の馬なので毛並みはよい、馬の扱い方も満足のいくものだ

厩務員25人とはすでに面識がある


他のどうでもよい要望は魔石の収集 フェンリルしかいないので他魔石の供給

攻撃魔術、賢者になるための教育機会の提供、勇者は鍛えない


流石に制限を独学で部屋で考えるのは無理がある

魔術資料に触れる機会の提供、図書館があるなら自分で向かう

ゴトーは18時間働きそれから寝る

眠気眼のミッターヘイデンからは魔術資料は毎日時間が寝静まってからみるか、別の日にみるか希望を聞かれたので寝静まってからと要望はした


日によって攻撃魔術師、賢者 索敵の順で14時間訓練し、1日の休日として魔法の原理の文書と試験報告書を読み、最後の日は弓の改良と魔石制作に当てた

空いた時間は秘密の制限方法の研究に図書館から厩舎まで戻り数学の本を見ていた


弓の改良では装備製作所の面々にはずいぶんお世話になった

5連射自動弓の出荷は18次改良品が主流になった

現地に置いておく5連射自動弓の寿命が延びた

西南、西、南だけで作られている3連射自動弓は主に農作業の住民と王都で用いられている

重量を極力抑えたため持ち運びは比較的容易で軽量化にこだわったので反動は少し強いが、馬車にも備え付け出来、取り外して手動でも発射できるようになった

3連射弓は照準を合わせやすくするため前方に丸い穴が開けた

今のところ半分が5連続自動弓の出荷で、もう半分が3連射自動弓と5連弩だ


魔石制作はゴトーのタレントとスキルが発揮されやすく厩舎で魔術の本を読みながら行うことが多かった

400%の状態で王都にきて6か月で上限の666%まで上がった

よく使われるオーガ魔石36ならを並行して8つ作業できたため、本当にあっけなかった

通常は15年かかるそうだが、チートには関係ない

魔石取集で集まらなかったのはサイクロプスで光輝く魔石だ

光だけはまだ15mの距離程度しか威力666%で使えない


魔装備部署はゴトーの作ったオーガ魔石72の倍144サイズを新設した

威力666%で魔法消費1/6.66にするには144にするほかなかった

144魔石は魔装備研究所の職人180名に作った

ゴトーのこれまでの常識、魔法回路のコピーができないことを知ったのはこの時だった

通常の魔石制作はゴトーの手から離れ、王都到着後8か月で汎用の魔石を作らなくなった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る