第11話英雄と呼ばれる前の話 その11
場所アルボレナ
登場人物
ゴトー16歳
ミグロパーティーの4人
母スペイド
【本文】
季節は皐月になりもうじき水無月
ミグロさんの挨拶で中央北の冒険者組合に来た、東と一緒なので挨拶関連は省く
ここも物があふれるほどあり、国境の果ての西の南とは大きく違う
東の北は北管轄でも魔物は少ない、アルボレナの山々に近く、北の行き止まりといったようだ
東冒険者組合から北に向かうと山の高低差は少ないが曲がりくねった街道で4日で接続されていた
東の山と西の山の中間に崖の道がある
8か9か所あり50mを越える段差に金属の鎖が垂れ下がっている
馬は通れず、崖を登っていくにはあまりに険しいが、エルデバランからならアルボレナへの最短路だ
中央の北はまず魔物が大量だ
西に向かって10日、東に向かって10日、南14日、北12日とかなり広い
東は東の北、西は西の北になるが、中央北は南北26日という長い範囲だ
その代わり北以外は真っすぐな街道でつながっている
北の山々から流れ出る川はエルデバランに流れている
その川はエルデバランーアルボレナでアルボレナが南に下った街道だ
今は魔物が多く西にある西山を迂回路で向かう
西北は北は6日でアルボレナからエルデバラン行きの迂回路に出る
南北の川を跨ぐと柵外地域、西の川を越えても柵外地域だ
北のアルボレナの山々から流れた川2方向に流れ1つは南南東に向けて、もう1つはエルデバランに流れる川と合流する
西北冒険者組合付近で中央から流れた分流が合流していて北には2本の川で仕切られた南に西北冒険者組合はある
南に向かう川は南南東に流れていて中央北からは10日離れているが、中央から西は半日だ
南から川沿いに北上して13日に西北冒険者組合はある
今回来た東から東の北経由でも中央北まで14日、中央冒険者組合から中央北のまっすぐな街道でも14日かかる
今回は東から来たが帰りは中央冒険者組合から南下するつもりだ
もう移動だけで一月半かかっている
ここは大型の魔物が多く出現し、中央の北と西北の山から南下してくる
東の北、中央北 西の北と共同して討伐に当たる
元兵士が多く討伐専門で9パーティーいて、G級は5パーティーもいる
ここ北全般ではG級パーティーの主力は剣技だ
落とし穴はいくつあるかわからないほどあり10m、15mの魔物を引き倒すことから討伐が始まる
そんな場所だからか「伝説の勇者の剣技が見たい」と心を抉られることを言われて実演する
【村人Aの剣技みたいのか?あーーーん?】とキレてみたい
君たちの見ている伝説の勇者は商人だよ、勘違いしていないかい?
実演すると素晴らしい剣技に感動した
<お世辞ありがとうございます、あなたのほうが絶対うまいですよね>
これは魔法能力がうらやましい
<ええ、成績が最低変だからか鑑定忘れられてましたけどね>
ミグロさんの知り合いの勇者らしき人は「ミグロ大切にしろよ」とか言われていた
実演が終わって「伝説の村人Aじゃん」と心の声がまたも漏れてしまったゴトー
中央冒険者組合から南の街道を通って西の冒険者組合に帰ってきたのは水無月の末になっていた
「ヤバイ金欠」
冒険者組合で魔石を見た時に叫んでしまった
伝説の勇者<勇者成分は壊滅>でも金欠だよ
ほぼ3カ月仕事をしなければそれは無くなるよね
早速手早く稼げる索敵巡回に混ぜてもらう
個人の馬車貯金はあるので返す当てはあるが手持ちの銀貨がない
ゴトーの月の商人への支出は銀貨60枚は必要で、今手持ちは銀貨は39枚、銅貨77枚だった
あと8日おそかったら無一文だった
報酬の前借をしておく、伝説の勇者はレベルアップし愛、正義、勇気、友情を抱えるのではなく借金を抱えた
これまでと変わったことはサボっていた攻撃魔術と索敵魔術、回復魔術の習熟を進めることが追加された
機械器具の改良をすること、主に弓
これまで通り手持ちの銀貨と事業資金の銀貨と馬貯金の銀貨を稼ぎまくること
この3つを進める
収集はお金になるが今は修練の時期になった
魔法習熟は簡単にはできない、200%から666%まで遠い道のりだろう
確か上限まで15年だっけ?そこまで頑張れるかね、『諦める自信』はあるな
では弓から紹介しよう、やっぱりコツコツ魔法の習熟なんてゴトーの柄じゃない
エルデバランに送った一斉発射の5連弩と5連続で連射する5連射弩の2種類が届き、エルデバランの優秀な武器職人たちからの連絡が来るようになった
1『羽があと1cmは高くないと安定しない』ということで弓矢を改良した
弓矢の3本の羽の高さを2.3cmから3.5cmまで大きくした
そのおかげで先に現地生産の20cmの改良短弓でもまっすぐに飛ぶ弓矢ができた
2ゴトー発案のラックアンドピニオン式装填は回転コッキングだったが採用されなかった
機構が重くなり、発射しないことがあったので自重でコッキングすることになった
エルデバランの優秀な武器職人たちの判断で、実際自動弓の自重と体重のコッキングのほうが早い
3分割式自動弓
これはゴトーが作ったが短弓は木製の板を何枚か変形させて張り合わせていた
5層に重ね合わされしなりと強度と弓の大きさで射程は決まっていた
これまで自動弓もあったが単発で重量の軽減のため一体式だった
弦の張りと固定の反発力なので、距離は15mまでだった
ゴトーは5連にするので小型化を目的に金属で作った
3分割で発射機構のある中央部と距離を決定する辺縁部が2か所で組み立てする
構造は複雑になったが木材の1/6の期間でできた
これはエルデバランの武器職人も『これを標準化した方が良い』とのお墨付きだ
中央の発射機構は強度も形状も構造も変えずに固定で制作
辺縁部の長さで弓矢の到達距離を試験していた
この自動弓でも弦の調整は必要で、弦の張りは辺縁部にある調整の容易なねじ式にした
これまでの自動弓で難しかった可変射程は全体の大きさ変えていたので、ゴトーの自動弓では2つの辺縁部の大きさを変えた
改良前の短弓の20mまでの距離に合わせるように辺縁部の大きさを変更して20mから30mに伸ばしたが、実際は20mもあれば十分なこともあり、20mに届く大きさまで短縮した
距離は合っても方向はバラバラに飛ぶので、安定板で上下のブレをなくし、発射の反動は弓自体に水の重り加えた
これで上下はかなりばらつきが減った、これはゴトーが考えた
左右は中心の金属筒を偏心機構で一定の範囲に収まるようにした
この偏心機構で連続で発射してもある程度まとまって弓矢が発射されるようになった
これは弓職人が考えた
中央部の発射機構にラックアンドピニオン機構と弓矢を納める金属のケースがある
すでに別の装置で使われていて新たに製造を追加しないでよい
『小麦の製粉機の部品なら入手が容易』これも褒められた
先に実用化された分割式改良短弓で採用された20cmの矢でも38cmの弾きしろの構造は自動弓の発射機構からギアではなく辺縁部同士を結ぶの2本の弦と発射用の1本の弦の3本の弦で実現されている
矢の生産も順調だ もう100本束が2束ある
固定の矢尻と矢羽根で生産性を上げてみた
ゴトーが特に感心したのは連続コッキング機構ができていたことだ
これまでゴトーは手でつまみで回して弓を引っ張り、ひっかける回転を5か所していた
現地での改良は重い自動弓の発射部分を下にして反対側の安定板側から自動弓を引き起こす
半固定用の金属には新たに金属巻き線ばねがついていた
そしてゴトーは玉を使ったが車輪2つに変更になり。車輪の中央にこの半固定用の金属と金属巻き線ばねがある
こちらの方が玉よりも移動が容易になったし、自重で固定金属が地中にめり込むようになった
固定の金属にばねで体重を乗せれば自動弓ごと下がっていく
片足の力を抜けば元の位置まで自動弓ごと上がっていった
弓の自重と片足で体重をかけ、5回自動弓を上下すれば5本発射できる状態になる
半固定の金属を埋め込む方向にしっかりと踏みつける必要があるが、重いことを利用する考えはゴトーにはなかった
5回上下に動かすと自動弓の安定板を今度は引き倒し、1本試験発射をすればその場所が弓の到着地点になる
足ふみ1つだけだったが2つに分け、手で1本発射して着弾地点が分かるようにした
的のブレは弓矢の改良で少なくなり、しっかり固定できれば、5連射弩のほうは4連続発射しても多少固定の穴が広がる程度で済んでいた
一斉発射の5連弩の発射は固定が外れることもあったので、固定穴をもっと深くしないとダメだろう
柵に固定式なら一斉発射のほうが良いが、当面5連射弩をさらに改良することにした
実際に撃ったあと5本の再装填をしてみると次矢の装填も早くなっていた
ゴトーの素人考えより長年の弓職人と本国の職人の意見で実用性は一気に高くなった
さて金欠は金欠だ
西北の巡回の馬車が銀貨不足で借りれないので出来ない
伝説の村人Aらしく自分の収集品はそのままで弓矢生産を始める
改良短弓と連射弓用の短い20cmの長さのものだ
真っすぐ弓矢が飛ぶようになったので、製造方法を変える
木を細かく切っていき羽根以外の部分を作っていく
羽根は溝にはめ込み固定する構造にしていて微調整はできない20cm弓矢を作る
羽を大きく形状を変えたものを溝に差し込み接着剤で固める
これで生産性はさらに良くなるだろう
周回馬車が借りれるようになるとこれまで通り収集品で儲けつつ、冒険者組合の巡回から帰ってきてから年末の葉月まで収集と弓改良をエルデバランと通信しながら続けた
金欠は解消しつつあるのが救いだよ
現在の問題は
1 5連射弩の問題は大きく重い、距離は最大30mだが実際に使える距離は12m程度と短い
*射程はそこまで問題ではない、自動弓は地面に設置して斜めに発射する
オーガなど5mの標的に当てる距離は8mから12m程度になる
2 設置に時間がかかる
予備の5連射弩も用意して発射する5連射弩に照準を合わせておく必要がある
事前に輸送と設置が必要で馬車が必須
旗を立て設置場所が分かるようにする
使うときに5回上下に揺らせば使えるようになる
そのため事前準備に一人3か所の予備2か所で9つの自動弓の設置が必要になる
6人が自動う弓を使うなら54は必要になる、現地の発射準備も30分はかかるだろう
1,2のデメリットはあっても20分討伐が3分以下にはなる
討伐順序は事前に5連射弩を発射状態にする、一人3か所と予備で9か所、8人ptなら6人分54か所だ
索敵が改良短弓で敵にシビレ矢で攻撃し、自分の設置した射撃場所まで誘導する
ポイントに来たら別のメンバーが足で踏み4本連射する
同じ個所に索敵が設置した自動弓で発射する、8本発射中4本は命中するだろう
次の予備自動弓も同様で8本中4本当たればこれで8本命中だ
動きが遅くなれば魔術師で3連攻撃、止まれば後ろから勇者が攻撃し離脱
勇者が離れた後は魔術師はその場もう一度魔法攻撃
魔術師たちから2度目の攻撃の後は勇者がとどめを刺す
弓が命中しなければそのまま次のパーティーメンバーが設置した自動弓まで走る
命中しなければ命中するまで繰り返す
基本的なオーガ討伐はこれで大丈夫のように思う、準備80%、仕上げは20%だよ
自動弓は予備含めで最低54台必要、馬車の3つは自動弓で埋まる欠点がある
これは自動弓を事前輸送しとかないといけない
では輸送すればお金が稼げるようにしよう
設置に事前に30分から40分はかかるが、討伐時間は20分が3分で終わる
ゴトーは自動弓の制作クエストを出したので、儲けた銀貨をずいぶん減らしたし、これからも減り続ける
更に自動弓輸送でも減るが安心安全討伐は進むと思う
相変わらず金欠のゴトーは南のゴブリンの角集めに向かう
昼動くときは商人、収集しながら進んできた
夜間索敵の時は夜活動する動物の捕獲だ
干し肉がおいしいと聞いたので、銀貨の助けになると思い、夜な夜な出かける
夜、干し肉用の動物を探しをしていたら、山羊という突進してくる動物を見つけた
はじめはイノシシかと思ったが、イノシシも好戦的だがそれより好戦的だ
草しか食べていないが、肉食ってるだろうと思えるほど元気だ
捕まえて現地で樹木につないでいたら樹木の周りの草がなくなっていた
これは殺すには惜しい、雑草掃除に使える
今回は1頭しか捕まえられなかったが、またきてみよう
ゴブリンの角を収めて即時売却一回当たり468枚
今回の収入で戻りに収集品を拾えたので何とか3か月凌げるまでに回復した
収集系より製作系クエスト中心に受け始めようと思っているゴトー
折角製作系のタレントがあるのでそれを生かす
商人頑張って勉強したんだが、今は南に出れないので収集系はあまりできないよ
20cm弓矢は冒険者限定じゃないのでさっぱり儲かりませんなあ
伝説の村人Aになった16歳が終わる
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場所アルボレナ
登場人物
ゴトー17歳
西南の柵
討伐ミグロpt、サンドラpt イデpt、ジョーランpt8名づつ
収集サスpt 、エルサドルpt 35名
西冒険者組合
制作 マリアptは4名、ルーカスptの18名 22名
89名
南の冒険者組合
ミンカpt、アスナpt、アルプスptが討伐pt24名
【本文】
17才になった今は、真っ先に山羊を捕まえに行く
ゴトーは行ってないが去年の葉月の索敵巡回で国外拠点4の南で山羊を見かけたと聞いたので向かってみる
太めの荷縄をもっていく、後ろには山羊を入れる連結台車を3つ持ってきた
国外拠点4の南3日に山羊はいた
山羊は危機感があるようでゴトーをじっと見つめてくる
ゴトーも山羊のほうを見ているとこちらに向かってくる
荷縄の輪にそのまま向かってくる山羊、自分から捕まりに来る動物は初めてだ
山羊は30匹ほど連れて連れて帰った
到着まで西に3日南に4日だったが、30匹捕まえるのは2日で捕まえた
こんなに簡単に自分から捕まり来る動物の報告をする
物好きの国外拠点4の兵員、、、ケルトミラーというゴトーの同級生がわざわざ山羊を捕まえてゴトーの自宅まで来た
15匹を1台の馬車で持ってきてくれた、人生で持つべきものは物好きな同級生だ
神無月になり雑草対策で20匹で集団貸し出しを始めた
最初は無料だが20匹貸し出すと3日で空き農地の草が全滅だ
次からは銀貨がないので銀貨は10枚で設定した
地域貢献でこれからも無料で貸し出してもよかったが、銀貨不足ではさすがに無料は無理だ
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