桃井愛は語る


 だけど……私達は約束を守れなかった。


『6年後の2月15日の夕方17時、空が割れ、世界に破滅をもたらす王が現れる』


 こう聞いていた筈なのに、敵は不思議な少年から教えてもらった時間よりも早く、現れてしまった。


 時刻は14時。


 空にはヒビが走り、真っ赤な穴が開いた。


 そこから現れたのが《王に選ばれし民》……世界を滅ぼすとされる存在だった。


 後々に理由は分かるのだけど、当時の私や勇気くんはまだ英雄としての覚醒をしていなくて、英雄には変身出来ない状態だった。


 絶体絶命……


 私と勇気くんは

『世界が終わってしまう』

 ……そう思ってしまった。


 だけどその時、


 せっちゃんこと、赤井正義……いや、メタリックレッドに輝くボディスーツを身に纏った、


《正義の英雄 ガキセイギ》


 が輝ヶ丘に帰ってきてくれた!


 不思議な少年が『私の代わりにあなた達を導いてくれる存在が生まれる』と、せっちゃんに渡したタマゴから生まれた、不思議なタマゴ型の生物=ボッズーと一緒に、ガキセイギは激闘の末に《王に選ばれし民》を一時は退けた……


 だけど、ここからもまた……前途多難だった。

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