第3話 空が割れた日 14 ―目覚めろ!正義!―

14


「大丈夫!! ねぇ、正義さん!! 答えてよ!!」


「起きろ正義ぃ!! いつまで寝てんだ起きろってボッズー!! 立てぇぇ!!!!」


 輝ヶ丘の大木のすぐ真下でボッズーと希望は大粒の汗をかきながら、天を仰いで倒れる赤井正義を目覚めさせようと、その名前を何度も何度も叫んでいた。


 今は轟音は収まっている、しかし、最後に轟いた轟音はそれまでとは違い、『地球が爆発するのではないか……』と思える程の激しさだった。


― このままでは世界が終わる!!


 ボッズーは焦った。

 最後の轟音はカウントダウンでいうところの『ゼロ』にしか思えなかったからだ。

『早くしなければ、早く正義を目覚めさせなければ……』そう思えば思う程に、ボッズーの焦りは増していく。


「正義さん!!」


 希望は謎の轟音と光に怯え、助けてほしいと正義を欲した。

 しかし何度、正義の名前を呼んでも、揺さぶっても、彼は目覚めない。反応すらしないんだ。まるで死んでしまったかの様に……


「バカヤロッ!! バカヤロッッ!!」


 ボッズーは正義をひっ叩いた。

 正義は肝心な時に気を失ってしまった。その事に焦りと共に悲しみを覚えていたからだ。


「正義!! 起きろってボズ!!」


 彼を揺さぶって、そしてひっ叩き、怒鳴りながら、その名前を呼んだ。

 しかし何度やっても同じ、目覚めやしない。


「起きろよ! 起きろボズゥーー!!」


― ダメだ……なんで、なんでなんだよボッズー! 正義!! お前は決意したんだろ?世界を救うって!! なのに……何で!! このままじゃ終わりだ!! 間に合わない! 空が割れてしまう………終わってしまう………



 ボッズーが諦めかけたその時……

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