第44話 皆ドン引きのハデル保有戦力
「あの召喚された精霊とやらはなんですか?! 」
「にゃはははは。僕達は
「(ブルブル)」
ダンジョン三人娘ことカタリナとナンシー、そしてリナはモニターを見ながら感想を言う。
その三人の目を追うようにサラシャとパシィが映し出されたモニターを見た。
そこにはハデルが魔杖を
がその光景が異常である。
それを
一撃でやられていく仲間をみて逃げ出そうとする者達がいたが、
『ギャァァァァァ』
『助けてくれぇ! 』
『……俺が悪かった。悪かったからよぉぉぉ』
『ひっ! お助け! 』
モニターが音声を拾う。
そこからは悲鳴やこれまでの
それを手に取り内容をみた。
「あ。飛竜隊の団長が着いたみたいだよ」
「流石飛竜隊ですね。ついさっきアスモデウスから出撃したはずですが、もう着くとは」
「彼らの売りは速さと強さだからね。じゃぁボクは行ってくる」
「行ってらっしゃいませ。サラシャ様」
パシィが腰を折り、サラシャを送る。
サラシャはダンジョン内転移でダンジョン入り口前までいき、飛竜隊と合流した。
サラシャがいなくなった後のコアルーム。
映るのはハデルと召喚された者達だけになっていた。
そしてハデルの言葉がコアルームに響く。
『戦いとは——無情なものだ』
「どの口が言っているのでしょうか」
そうパシィが呟いて、カタリナがハデルをコアルームに転移させた。
★
戦闘後俺はコアルームに転移した。
サラシャがいない事に気付いてカタリナ達に聞く。
すると飛竜隊の所へ行ったようだ。
「なら俺も行った方がいい? 」
「……そうですね。現場責任者として、そして事のあらすじを
「了解。じゃぁ行くが……。パシィはついていかなくても良かったのか? 」
「今から行くので大丈夫でしょう」
「……サラシャの護衛はいいのかよ」
「サラシャ様自体魔国
「そうか。まぁ大丈夫ならそれでいい」
「……サラシャ様のことが心配なので? 」
パシィが俺にそう聞いた。
いつもとは違う雰囲気に少し戸惑う。
「まぁ心配と言えば心配だな。パシィの言葉で不安が吹き飛んだが」
「……左様で。では行きましょう」
パシィが答え、俺はコアに命令する。
「……あの時助けられたのはサラシャ様だけではないのですよ (ボソ)」
何か聞こえた気がするが、分からず俺の視界は土色に変わった。
ダンジョン入り口に転移する。
俺はパシィを連れて外に出る。視界が開けて木が見えた。
少し歩くと騎士服を着た男性が他の人に指示を出し、冒険者達を
「お。サラシャ発見」
ポツリと呟き彼女の方へ足を向ける。
俺に気が付いたのかサラシャはくるりと回って手を振って来た。
「おーい。こっちだよ」
「おう。今行く」
俺が答えて彼女に近寄る。
冒険者の隣を過ぎると、「ひぃ! あの時の」「死神! 」「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」「ああああああ」という声が聞こえてきた。
中には
「ご苦労さん」
「うん。
そう言いサラシャは頭を出す。
俺に
少し恥ずかしいが……飛竜隊を呼んで捕縛する
手を出し、少し止め、髪を触る。
「助かったよ。手筈を整えてくれなかったらもう少し手間取っていた」
「ふふふ」
髪を
「ハデル顔真っ赤ぁ~」
「……そう言うなよ」
「
「そうだ」
振り向き答えると、そこには白い騎士服を着た、俺と同じくらいの身長の男性がいた。
彼は黒い髪に茶色い瞳のイケメンで、着ている騎士服には肩の部分に何やら竜の模様が描かれている。ちらりと目線を腕から胸の部分に移すと、そこにはバッチのようなものが見え他の隊員とは異なる階級であることがすぐにわかった。
俺の事を確認するとビシッと敬礼し、ハキハキと自己紹介を始める。
「私は魔国空軍第三部隊隊長『カイト・ゼマ』であります! この
「いえ、むしろこちらとしても助かりました」
思わず敬語で
俺の様子をみてサラシャとパシィが笑いを
仕方ないだろ。軍人と会話するのは慣れてないんだから。
がこのままでいる訳にもいかず、サラシャが敬礼を解くように命令する。
そして俺は彼にこの後冒険者達をどうするのか聞いてみた。
「彼らは
「……飛竜隊は全員
「いやそれは違うよ? 」
「? 」
「今は戦闘時じゃないからわからいかもしれないけど、彼らは全員竜人族なんだ」
「姫様のおっしゃる通りでございます。我ら竜人族は訓練を積むことで竜種とコミュニケーションをとることができます」
「あぁ、なるほど。テイマーではなく種族特性の方だったか」
「左様でございます! 」
大きな声で
そして俺がまだ容疑者はまだこれだけではない事を伝えた。
「事前に話を聞いておりますのでご安心を。町長ギュンター、コズ商会商会長コズを捕縛するため、すでに部下を手配しておりますので」
それを聞き一安心する。
少し周りを見る。少なくない白い騎士服を着た人達が冒険者達を運んでいた。
幾ら聞いていたからと言ってもこの規模以上を動かすとは。
やっぱり前から準備していな? と考えが頭を
しかし余計なことを言わずに目線を戻した。
俺が「もう大丈夫そうだ」と思いこの場を離れようとしたら、町の方からカイトを呼ぶ声が聞こえてきた。
「た、大変です。これを! 」
一人の隊員が俺達の近くに寄って何枚かの書類を見せてきた。
そこに書かれていたのは——奴隷売買の売却履歴だった。
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