第7話 親がいない生活①

 午後から学校に行くので、支度をする。朝から咲希と甘々なやりとりがあって、今もその気持ちを抑えられずにいる。こんなニヤけた顔で学校に行ったら、周りからなんと言われるか。やはり、学校では咲希とはあまり関わらない方が良さそうだ。学校でもこんな感じだったら、俺の気が持たないし、なんなら俺が潰れる前に、周りの男子たちに潰される。そんなことを考えながら支度を終わらせ、玄関に向かうと、そこには制服姿の咲希がいた。いつも見ている姿なのに、なぜか今までもより可愛く見える。


「颯太、もう行こ!遅刻しちゃう!」

「もう俺ら、遅刻でしょ。昼から行ってるんだから。」

「そっか。そうだね。」


そういいニコニコしている咲希。天然なところも愛しく思えてきた。俺はもう咲希しか考えられなくなっている。

靴を履き、家を出る。そしてなんの変わりもない道を歩く。すると、咲希が俺の手をそっと触ってきた。


「手、繋ぎたい、、、」


モジモジ言っている。最高に可愛い。これには誰も逆らえないだろう。


「いいよ、わかった。」


そう言って、俺は咲希の手を握る。咲希の手は小さかった。やはり、女の子の手をしている。男みたいにゴツゴツした手ではなく、優しく白くて綺麗な手をしている。こんなのも、俺が独り占めできるのか。最高だな。


「やっぱり、颯太の手大きい。やっぱ男の子だね〜。」

「まぁ、そりゃー、男なので。」

「この手でいつも私をいじめてるんだ♡」

「ちょっ、なに言ってんだよ、外で。」

「えへへ。」


なんだかはめられたような気もしなくはないが、咲希が可愛いから許す。



 そうして、学校に到着。流石に学校を入る時には、手を離していた。しかしやっぱり変な目で見られるのには変わりないのだろう。こればかりは仕方ない。このたくさんの視線がある生活はいつまでも慣れない気がする。多分、この先も俺を呪うような目で視線を送られる生活は変わらないし、変わることもないだろう。しかし、今日をもって変わったことといえば、咲希が彼女になったこと。学校中の男子が俺の彼女になったことをな知った日には、もう次の日には俺の命はないだろう。もう想像するもの全てが悪い方向に働いてしまう。


「じゃー、帰りも一緒に帰ろうね。学校ではあまり話しかけないようにするね。流石に颯太の言うことも聞いてあげないと、お姉ちゃんだからさ。」

「ありがとう。じゃあ、放課後ね。」


そう言い別々に教室に向かった。


 

 授業中に考えてしまった。咲希のこと。昨日から今にかけてあったことはとてつもなく濃い時間だった。まぁ、疑問が残るところがいくつかあるが。目を瞑っておこう。ちなみになぜ俺が咲希が朝に言ったようにいじめるのが得意かというと、そういう系の漫画を読んでいたから。ある程度の段取りは知っていた。初めてエロ漫画の知識が役に立った。絶対に俺には関係のないことだと思っていたが、全然そんなことなかった。これからはもっと咲希を気持ちよくさせてあげれるように努力をしないとな。そう思って、ぼーっとしていたら、いつの間に午後の授業は終わっていた。


 

 そして咲希と一緒に学校から帰ってきて家にいる。咲希と二人きり。今週は親がいないらしいので、二人だけの生活。姉弟であり、カップル。同棲と言ってもいい。この一週間を昨日みたいに過ごすのもありだが、流石にそれはない。普通にイチャイチャ過ごすのがいい。


「ねぇ、颯太?家ではさ、お姉ちゃんって呼ぼっか。」

「どして急にそんなこと?」

「だってー。」


そういいながらモジモジしている咲希がとてつもなく可愛い。いつからか咲希が好きで好きでたまらなくなったのだろう。


「私、そう呼ばれたいもん。せっかくできた弟だもん。」

「わかった。家だけな。お姉ちゃん。」

「うん。えへへ。」


咲希は照れると「えへへ」と笑う。可愛い。もうダメだ。可愛すぎる。


「お姉ちゃん、可愛い。」

「おっ、言ってくれるねぇー。颯太も可愛いよ♡」


もう我慢できない。


「お姉ちゃん、いじめてもいい?」

「うん。いいよ。いじめて?」


そう言い俺は咲希を襲った。あれだけさっき、昨日みたいなことはしないと決めたのに、すぐ負けてしまった。


「颯太、ダメ、そっこはダメェ。」

「ダメじゃない、咲希は俺にされるがままにして。」


どうやら俺はSらしい。咲希はいじめがいがある。とにかく全部エロい。出る声も仕草の何もかもが。そんな咲希をいじめずにはいられない。


「あーっ、ダメー。そこは、あっ。」

「どう咲希?今の気持ち。苦しい?」

「いや、颯太にやられると思うと興奮してくる。」

「じゃー、まだいけるね。」

「うーんぁー!イク、ダメ、ダメ。颯太、あっ、あっ♡」

「エッロいよ、咲希。」


やばい、俺が止まらない。そうして何時間も咲希をいじめ続けた。



 時はもう夜中。学校から帰ってきてから、あんなに盛り上がってしまった。二人で気持ちよくなった後、一緒にお風呂に入った。なんだかんだで前回は、というか昨日だが、あのあと寝てしまったため、一緒にお風呂に入っていない。

 

「颯太、気持ちよかった?私とシて。」

「そりゃー、気持ちいいよ。咲希のナカは最高。」

「えへへ、そっか。」

「咲希は気持ちよかった?俺とシて。」

「もちろん!めちゃくちゃ気持ちいい。颯太が全力で私をいじめるからさ、体の至る所にキスマークがあるよ。こんだけされたら、彼女としても、満たされてる感じが物凄くして、とても幸せ。でもあと、ひとつだけ言わせて。」

「なに?」

「ヤッてる時に私を咲希って呼ぶのやめて。私お姉ちゃんだから。」

「えっ、待って。俺いっつも彼女じゃなくて、お姉ちゃんとsexしてんの?」

「いや、そういうわけじゃないけどさ、」


どうやら咲希は俺のことを子供のように扱っているぽい。


「わかった。今度からは咲希姉って呼ぶことにする。」

「うん!そうして!」

「じゃ、もう出よっか?」

「そうだね!」


そして風呂から出て、冷蔵庫に入っていた冷凍食品を温め、それを一緒に食べる。こんな当たり前のことでも咲希となら、とても特別な時間に感じる。

彼女でもあり、お姉ちゃんでもあるという複雑な関係。それでもこんな関係は咲希を好きでいることに、なんの障害にもならない。ただ咲希を愛し、愛し続ける。単純なこと。いつまでも守り続けようと思う。

にしても、いつから俺はこんなに咲希を好きになってしまったのだろうか。

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