勇者の相方は脳筋魔法使いでした

九条 楓

武闘家では?

――俺はカリン。ある日突然家に届いた手紙に招集とあったから来てみたら勇者にさせられたんだ。

冒険者ギルドも結構ブラックだな。


まあそれはそれとして、俺は説明を多少受けてこの会場に入った。中には明らかにシスターな女と鎧を着込んだ女と見た目...同い年ぐらいの筋骨隆々の男が一人。何故か筋トレをしている。


筋トレをしている。


武闘家の人....だよな?筋骨隆々だし。筋骨隆々だしな。

そんなくだらないことを考えていたらギルドマスターが入ってきた。


「お集まりいただきありがとうございます!今日からあなた方は勇者パーティとなります!

力を合わせて、魔王を倒してください!それでは私はこれで」


圧倒的説明不足である。


「えっ...えっととりあえず自己紹介でも....」


ありがたい。偉い。ありがとう推定女騎士。


「えーっとじゃあ俺からで...いいかな?」


その問いかけに推定女騎士が頷く。


「勇者のカリンだ。よろしく」


「シスターのメグといいます!よろしくお願いします!」

うーんシスター。見た目通り。わかりやすい。


「ナイトのミカ。よろしくね?」

推定女騎士。ちゃんと女騎士だった。



「フッ!フッ!フッ!フッ!ああ、魔道士のリキだ。よろしく。」

魔道士のリキ。予想通り.....

え?

魔道士って言ったか?

しかもまだ筋トレしてるし。

武闘家ではなく?

魔道士?


一旦落ち着こう。

まずローブを着ている。魔道士だな。

筋骨隆々だ。武闘家では?

杖を持っている。魔道士だな。

筋トレをしている。武闘家では?

名前がリキ。武闘家だろ。


「えっと....もう一度...」

女騎士が問う。


「魔道士のリキだ。」


「「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」」」


三人の声が揃った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

勇者の相方は脳筋魔法使いでした 九条 楓 @kuzyou_kaede

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ