エトによるエンド考察タイム5

 外からの雨音が未だ響き続ける図書室。

 そこに一人の少女が椅子の上で腰かけていた。

 彼女は見上げていた視線を下ろして声を発した。


「こんちわ。久しぶりだね、皆。

 いよいよ入り込んだ裏側の世界、みんなにはどう見えてるのかな。


 待っていた人がいるのかどうかは分からないけれど、そんな世界における久々のエトちゃんによる憂の終わりについての解説といこうか。


 と言っても、まぁ語る事は特にないかな。

 今回の結末は、憂がほんの少し勇気を出し損ねた――本当はしたいと思っていた事をできなかったがゆえの終わりってだけだから。


 とは言っても、身体能力が上がった確信があってもいきなり屋上からジャンプは怖くて中々できないよね。

 一般的な価値観からすれば当然の判断だから、憂を責めるのはちょっと厳しいかもね。

 でも、ここから先はホントに生きるか死ぬかの状況、判断ミスが文字どおり命取りになるんで、憂は勇気と冷静さのバランスを取りながら、それでいて大切な事を見失わずに駆け抜けてほしい所。


 まぁ、相当に無茶ぶりだって事は私もわかってはいるんだけどね……でも、憂が望む場所に辿り着くためには、このくらい乗り越えて行ってもらわないといけないのも事実。

 応援しながら見守っていこうか。


 切那に関しては――この時点では仕方ないかな、って所だね。

 彼女の事情、心情は、憂が生き抜く先で多少知る事が出来ると思うんで、こちらもゆっくり見届けてくれると嬉しいかな。


 じゃあ、今回はこれにて。


 かわいいかわいいエトちゃんでした」

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