カオス学園 混沌に秩序という名のカオスを添えて

永遠

学園生活編Ⅰ

第1話 挨拶めんどい。そして説明多い。

『生徒挨拶。永遠さんお願いします。』

「はい。…では、これよりカオス学園の開校式を始めます。」


 よく晴れた日の午後。体育館にて。

なんで俺が進行するんだよ…と思いつつ俺は決められた言葉を紡いでいく。


「この学園の創立にあたって、協力していただいたすべての皆様に深く感謝を申し上げます。」


 だるいなこの挨拶。…よし。さっさと終わらせよう。


「この話し方めんどい!俺から言いたい事は二つ!この学園の創立を手伝ってくれた人に感謝を!そしてお前ら!全力で学園生活楽しもうぜ!!!!!」


「「「「「おおー!!!!!」」」」」」


 周辺のカメラと司会だった監視カメラが責めるように俺を見てくるがそんなの関係ない。

 そしてカオス学園の開校式は全ての工程をすっ飛ばして幕を閉じた。



***


「とわにぃ!挨拶めっちゃとわにぃっぽかった!」

「それは褒め言葉なのか…?まぁ、ありがとな。とりあえず皆落ち着いて椅子座れ。

ほら見ろクチナシを。足くんでサングラスかけて優雅に腕組んでるぞ。」

「さっすが組長!私もあんな風に…」

「希空。あれはクチナシだからこそ許される。やめとけ。」

「えー…」


 開校式後。俺は数十人しかいない生徒に囲まれていた。と言っても俺も生徒だが。最初に声をかけてきたのは希空。紫髪ショートで身長が低い。俗に言う妹ポジってやつだ。


クチナシはヤクザもどき。黄髪の危ない人だ。けど頼れる姉ポジでもある。俺のひとつ下、中学2年生だ。152cmの。んでキョンシーみたいな布で顔が見えなかったりする。

グラサン丸見えは置いといて。


 全員が席に座り始めたところで、俺はちょっとした回想をしていた。

この学園には特殊な子どもが集められた。全員顔見知りで年齢もマチマチだ。


 名前も本名ではなく、全員がペンネームなどで呼び合い本名はわからない。

なんならコスプレか?みたいな外見のやつもたくさんいるが、ちゃんと学校として認められている。開校前から曰く付きの学校だが悪いやつはいないはずだ。

きっとこれから毎日楽しくなるだろう。そのために最年長の俺がしっかりしなければ。


「んじゃあまずお前らに確認だ。今校内には俺達以外の人間がいない。」

「そうですわね。でも大人が居ない理由はまだ聞いていないですの。」


 ひかりの言葉に俺は頷く。ひかりは急にお嬢様口調になる十二歳の少女だ。

さっき言ったと思うが外見が特殊な部類。淡めの黄色で肩にかかる程度の長さ。けどひかりはまだ軽い方だ。


「簡単に説明すると、大人は他の場所で俺らを見てる。カメラの位置は俺が全部覚えてる

から聞きたいことがあったら教えてくれ。さっきの喋るカメラもどっかで見てる大人だ。」

「とわにぃ記憶力きもっ!」


希空を眼力で黙らせ俺は話を続ける。


「授業日程とかは教室にあるから。とりあえず今日は寮に全員移動だ。」


 俺は全員を立たせリモコンを操作する。すると体育館の床が開き、椅子が全て収納される。


「何気にここって近未来的だったりほんと特殊だよね。まぁ皆そうだけど。」


 ふうかがそう思うのも無理はないだろう。ここは何もかもが最先端の技術で作られている。説明はめんどいけど、俺らが特殊だからだろう。それで納得してくれ。


ちなみにふうかは白髪碧眼だ。外見は綺麗だけど、かなりのボケ担当である。おやすみにおはようって返してくるレベルの。


「よし。じゃあ寮に行くぞ。すぐ横だけど。」


 俺は全員を部屋に案内し、自分の部屋に戻る。小学生は同性で数人ずつ、中学生は皆一人部屋だ。ご飯は機械が作ってくれるし、娯楽も各部屋にある。多機能すぎるから今日はこのまま皆部屋にこもるだろう。ここの地図が頭に入っているのも俺くらいだから、そのうちクチナシにでも覚えさせなければ。広すぎるんだよ校舎が。


 よし。改めて思考整理だ。今日から俺達はここで生活する。大人が遠距離から監視、サポートをしてくれる。一日の授業などは教室にある。俺は最年長として皆を見守る。


 完璧だ。…ん?皆が特殊な理由?こんな学園にいる理由?まだ話せないな。

まぁ、いつか話す時が来るだろう。とにかく今日は皆説明ばっかりで疲れただろう。

俺は話すのが上手くないからな…まあ。明日からまた頑張るか!寝よう。



あ、飯食ってねぇ。

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