第5話パニックの館

それは朝方4時に始まる。


K:「♪&%#@%#&&……!」

U:「ふぎゃ-ああ!」(首を噛んで、背中に乗っかる)

K:「んぎゃー、うーーーー」抵抗してみるも、逃げ出せず)

U:「うーーーーーー」(そのままの格好で“僕が上だぞ”と、教える)


その行動を尻目に、Tが引戸から脱走を試みるも、しっかり鍵がかかっているので、諦めて何処かへ行ってしまった。


K:「うぎゃきゅひ#&%@?%#!」(ふざけるな!)


そんな台詞と共に、身体をうまくよじって形勢逆転、今度はKがUの上に乗っかった。


S:「うろろろろろーーーー」

Kが頑張っている時とほぼ同時に、今度はSが奇声を上げて、階段を駆け上がって来た!


寝室を猛スピードで駆け巡り、隣の部屋へ侵入してもそのまま駆け抜け、ついには再び下へ向かう。


少し静かになったと思った刹那、また駆け登って来た。


今度はMまで連れだって……


一方、誰かが用を足しに来たのだろうか?


トイレのドアノブにかかるプレートを、“ガラン ガチャン ドカ バキッ”と激しく叩く音が、しっかり耳に届いている。


正直、した気がしないだろうなと思った矢先、ドアが開く音が聞こえた。


どうやら、SNの強い願いは叶ったようである。


そして、SとMが取っ組み合いを始め、その光景を黙って見つめる新入りKUちゃん。


“手を出したらやられる”と思っているに違いない。

(賢明な判断である)


M「なんで、あんたがここにいるの?」

S「????」

Mは一方的にSを叩きのめし、満足してその場を離れる。


その足で、今度は飼い主をたたき起こし、朝御飯を貰おうという。

可愛い魂胆であろう。


彼女を起こすには技術がいる。

ご飯欲しさに額を引っ掻けば、暫くは貰えない。


だから、代わりに飼い主が頭を乗せている枕の端に爪を入れ、ゆっくり引っ張ってみた。


「いっ、痛い😭💔」


飼い主は訳が分からない奇声を上げ、なにやら声を荒らげているが、当のMには関係ない。


「(*^▽^)/★*☆♪」

「痛いでしょう?」

「(`・∀・´)(*´∀`)♪」

「何……ご飯?」


そう言って、むっくり起き出した飼い主が、寝ぼけ眼で布団から這い出てきた。


正直、不気味さを感じたが、ご飯にありつけた嬉しさの方が増したので、見なかったことにした。


「( ゚Д゚)ウマー……」

Mは、とても満足そうにご飯を食べ、その場をあとにする。


「……」

飼い主は、彼女を無言で見送ったあと、再び深い眠りに就いた。


これがDO家の1日の始まりである。


お仕舞い






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