第10話 究極の歳出削減

私は決めた!会社を辞めて、市会議員に立候補することを。


選挙では、財政再建のため、徹底した歳出削減を行うことを訴えて見事に当選した。


市議会では議員定数の削減が議題として上がった。

本当は反対したかったが、私がこれまで言ってきたことを考えると出来なかった。


議員としての任期が満了に近づいた時、所属する党の幹部に呼ばれ、告げられた。

「次の選挙では、あなたを候補として推薦することが出来ません」


困り果てた私は、元居た会社の社長に連絡を取った。

約束の日早めに来た私を、先に待っていた社長は真っ先に言った。

「君が4年前に当選してくれて、本当に助かったよ。人件費が」

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