政治の魅力と怖さ

鴨坂科楽

第1話 二人分働ける奴が採用される

「あなたはコンピューターや経営学を勉強してこられたそうですが、結局何ができるのですか?」

「それにより一人で二人分の仕事をこなすことができます」


そう答えると、私は採用された。


始めは思うように仕事が進められず、周囲の顰蹙を買った。

でも仕事に慣れてくると、それまで二人でやっていた仕事を本当に自分だけでやれるようになってきた。

すると、先輩が一人会社を去った。


その後、誰かが辞める度に一人で二人分の仕事をできる新人が来て、誰か一人が辞めさせられた。

そのせいで多忙を極めていた日のことだった。


「今度は一人で三人分の仕事をこなせると言う新人が来たよ」

「へえ、それで、もう一人辞める人は誰ですか?」

「君だ」

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