いつの間にか気づくと後輩と同居生活をしていた件

暁 とと

第1話

 大学生になり、カップ麺にお湯を注いだり、お弁当を温めたりと自称自炊をしながら生活をしている。


 そんな生活を1年間も続けていると、自称自炊にも飽きてくる。外食もいいのだが、何せ高い。


 一回の食事で1000円が飛ぶのだ。

 そんな場所で食事ができるとすれば、月に一回だろう。大学生の財力ではそれが限界である。


 しかし、何故か最近は大学でばったりと会った高校の頃の後輩が俺の家に来てご飯んを作りに来てくれる。確かに、部活では良く話していたが、それほど仲がいいと言う訳も無いのにどうしてだろうか?


 そんな事を思い、大学の講義も終わりスーパーでカップ麺か何かを買って家に帰ろうと大学を出ようとすると、胸がまあまあ、大きくショートの黒髪で俺より小さな後輩である小倉に捕まってしまった。


「先輩、待ってくださいよ。」


「小倉か、どうした?」


 俺を見かけて、走ってきたのか少し息が上がっている。俺は立ち止まり小倉が息を整えるのを待った。


「せんぱ〜い、今日も先輩の家に行ってもいいですか?どうせ自称自炊とか言いながら寂しくカップ麺を食べているんですよね。だから行ってもいいですよね。」


「そうだが、自称自炊を舐めて貰っちゃ困る。自称自炊と行っても弁当も温めているぞ!!」


 確かに寂しくカップ麺は合っているが、カップ麺を食べている俺を舐めて貰っては困る。お湯を入れる時短レシピ。それに、俺はカップ麺だけでなくお弁当を買って電子レンジで『チン』する事が出来る。


「はっは〜それは負け惜しみって言うんですよ〜先輩恥ずかしい〜料理が出来ないから自炊出来ていないのに、自称をつけて自炊している風にしているんですよね〜」


「ち、違うんだからね。勘違いしないで」


 と、ツンデレのような返しをした。


「と、言うわけで先輩の部屋に行きますね。あ、あと先輩は食材のお金払ってくださいね。私が払うので」


「ええ〜、カップ麺の方が安上がりじゃないか〜」


「そんな事ないですよ?カップ麺は一回の食事につき約100円だけど、料理をすると大体一人当たり約50円に抑えれるんだよ。先輩料理する方が安上がりですよね。それに、私はお金を払わないので、私はタダ同然で食べれるので実質タダなんです。」


「おい、それはお前がタダで食べたいだけじゃないか?」


「そ、そんな事ないですよ〜ハハハハ〜」


 小倉は俺の横を並んで歩いていたが、どうやら図星だったらしく顔を背けた。


「おや、図星ですか〜おやおやおや〜」


 と、煽るように言っていると、小倉が俺の前に立ち塞がり、小倉の右足が俺の左足脛を蹴り上げた。


「痛った」


「ふん、早くスーパーに行きますよ〜」


「え、ああ」



 俺は蹴られた方の足をさすり、小倉の後ろをついて行きスーパーに向かった。


「先輩、先輩、スーパーにこんなの売ってますよ。これ、買いましょうよ。」


「え?」


 スーパーに置かれていたのは、ドリアン。

 臭い、よくこのスーパーはドリアンを置こうと思ったもんだ。


「いや、いや、臭いでしょ。これを買うと俺の部屋がドリアン臭くなってしまう。それに、ドリアンが3000円ってカップ麺が30個買えるよ?」


「大丈夫ですよ。私が買うんで。」


「いや、買うなよ。」


 俺も買うなっと言いながら、小倉が俺が持っているカゴにドリアンを入れるのを止めなかった。


 何故かって?

 俺もドリアンを食べてみたいからだ。

 ドリアンって臭いけど、果実の王様と言われるほどドリアンの地位は高い。それに、美味しいって聞いた事あるような気がするし。


 それに、珍しく小倉の奢り。

 なら、買うしかない。俺の部屋を犠牲にしても!!


「はい、先輩。先にお金渡しておきますね。」


「ありがとう」


「じゃあ、先輩買い物を続けましょう〜」


「おー」



 ドリアンをカゴに入れ、歩いていると臭いがするので、他の人たちに避けられている。


「先輩が臭すぎて避けられてる〜」


「これは、ドリアンのせいだ。俺も臭いんだから、小倉も持ってくれよ。」


「い・や・で・す〜」


 小倉は俺から少し離れた所で見ているので、この臭さを小倉にも味わってもらうためにカゴを持つように言ったのだが、煽るように断ってきた。


 これは、スーパーに向かう前に俺が煽ったことによる復讐ではないか?そのために、ドリアンを買ったのではないだろうか?


 まあ、そんなこんなで人参・じゃがいも・玉ねぎ・牛肉と買いお会計をした。


 ちなみに、牛肉は半額の物を購入して節約


「合計で、4100円です。」


「はい」


 俺はお金を出しお会計を済ませたが、なかなか恥ずかしい。ドリアンは臭いので、店員も嫌な顔をしながらお会計をしているので、申し訳なさと恥ずかしさにより早くこの場から離れたかった。


 小倉はと言うと、買った商品をを詰める台で俺の恥ずかしがっているとこを見ながらニヤニヤしている。


 -----小倉め〜!!小倉の家でシュールストレミングを開けてやろうか!!


 など、ニヤニヤ笑っている顔を見るとそう思ったが、近所迷惑なので辞めた。


 それに、海外のものだから高いかもしれないし。


「ほら買ってきたぞ。」


「どうも〜す。先輩」


「小倉、俺がお会計を済ませるまで、ずっとニヤニヤしていただろ!!」


「はい、面白かったので」


 よくもま〜本人の前で堂々と言えるな〜っと思いつつも俺の家(アパート)の佐藤の名前がある部屋に入った。


 そう、俺の名前は佐藤昴だ。

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