第57話 告白ーーー社長のことが好きです
引っ越しの時、父から受け取った母の手紙を思い出した。
そこにはこう書かれていた。
【本気で誰かを好きになるようなことがあれば好きな人に「好き」だって
言える子になって欲しいです。それがお母さんからのお願いです】
(手紙の中の一部です)
フラれてもいい…後悔したくないと思ったーーー。
私と
「社長…」
「――ん?」
「私…社長のことが好きです―――ーー」
気づいたら口走っていた。
「……俺はお前よりも20以上も離れてるぞ、、、、」
「かまいません。歳の離れた恋人はたくさんいます」
「やべぇ、もう限界だ」
「……?」
限界の所まできていた。ふっ…と気づけば、心の声が
ポロリと小さく漏れていた。
「え?」
ドッキッ……トクン、トクン、トクン
心臓の鼓動が早く高鳴っている。
身体中が熱いーーー
頬が真っ赤に火照ってきた。
ーーその時、何が起こったのかわからなかったが私は
腕の中にいた。抱きしめられた体はどんどん熱くなり、心音は
ドキドキが止まない。
その後、
私に向けてきた。
ドキ……
次第に
その柔らかい唇の感触に覆われた―――ーー。
「!!」
甘くてトロトロにとろけそうなキスに
私はゆっくりと瞼を閉じるーーー。
数秒続いたキスに体の芯まで溶けていくようだーーー。
「帰るか」
「はい…」
その後、照れ笑いを浮べた顔を隠すようにして
運転席へ乗り込んだ。
私は頬を赤くしながらも助手席へと乗る。
〈
この後、どうするんだろ? 私は
「あの…社長…この後は…」
「お前をお持ち帰りするーーー」
え? お持ち帰りって……?
「……」
私の熱く火照った体はドキドキしながらも凍りつくように固まっていたーーーー。
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