第33話 大人の交流会とは……
大人の交流会と言えば社交的な言葉に聞こえるが、キャバクラ的合コンと
なんら変わりはない。
勿論、お酒はつきものだ。
座り偉そうな態度で足を組んでいる。
店に来ている女性客等も
そして、余裕のある男は落ち着いていて俺様的発言をする。
そんな完璧すぎるハイスペック男子はとにかく顔がイケメンだ。
その中でも
同業者の仲間等はそんな
おこぼれで
『OK』だと思っている。
女達の中には高嶺でハイスペックイケメン社長の
ワンランク下げても男をゲットできれば『OK』だと思っている計算高い
女もいる。
相場基準は
行われていた。
退屈そうな顔で
「どうしたの、
隣から伸びる手がさりげなく
伺ってくる。
「ん? 別に…なにも…なんで?」
「なんか、つまらなそうな顔をしている。楽しくないの?」
「ああ、楽しいよ」
そう言って、
「ねぇ、この後さ、ホテル行こうか」
「……?」
一瞬、
女を見下すように視線を向ける。
「私はいいよ。
女は人差指をモジモジさせて、恥ずかし気な態度で可愛く振舞い、更に男が好きな
胸の谷間を強調してくる。
〈これで、落ちない男はいないはず…。史上最高級特上ハイスペックイケメン社長を頂きます〉
だが、そんな女の見え透いた手口に引っかかる程、
「俺のどこがいいの? 」
「やっぱり、
「ふーん…。えっと…君、名前なんだったっけ? 俺、君のこと
よく知らないんだけど…。君は俺の何を知ってるの?」
「知らなくてもいいんじゃない。
ねぇ、ホテルいこーよ」
女は更にその体を密着させて、
『
噂になってるのよ』
女は吐息混じりに囁いた。
「へぇ、そうなの?」
〈どこまでもゲスな女だ〉
女の体からは強めのお酒の匂いがプンプンと漂ってきていた。
そして、
「……」
女は呆然と固まっていた。
この状況からして
ことは言うまでもなく、、、、その場の状況が示していた。
同席していた男女等の視線も唖然にとられ、顔の筋肉さえも
身体中の震えを
「水も滴るいい女か(笑)」
フッとあざ笑い
「あ、違ったな…。男に媚びを売るゲスな女だ、お前は」
そして、
店を出て行った。
昔は夜遊びしても平気で女と一夜を過ごせるほど、何の罪悪感もなくいられた
「俺も歳だな」
だけど、
不意に思い出すことがあったのも事実だった。
でも、この世にもう雪子はいない現実を
受け止めることができなかったのだ。
人にはそれぞれ与えられた寿命がある。
それは生きている人、全員に与えられた宿命でもある。
それは誰も知らない。
もしかしたら神様だけが知っているのかもしれない。
〈ユキと結ばれなかったのも多分、結ばれない運命にあったからだ―――〉
気づけば
「さすがにもう、帰っただろう…」
静寂した夜風が
見渡す社長室以外の部屋は全て明かりが消えている。
社長室まで見回りに来ない警備員も気づかなかったのだろう。
内ポケットから会員証を取り出すと液晶画面に会員証をかざし、
オフィスビル内へと入って行くーーー。
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