雑記(あとがき)

【これはしょうもない雑談です】

 作品自体とは別に、あとがきをこちらでつぶやいてみます。

 この雑記は著者のひとりごとで、作品に対するフォローや伏線の回収、疑問点の解明などは一切含みません。

 作品そのものに比較すれば、ほとんど意味のない雑談パートになります。

 暇を持て余したら読んでみてください。

 そのため


【作品について】

 もともとこの作品は、深く練ったものではまったくありません。

 完全に見切り発車で、構想は2、3日程度です。

 つまり発作的に思いついたものをそのまま書ち散らしたようなレベルです。

 ただ、そのわりに出来栄えに対してはおおむね満足しています。

 読者の方からの最終的な評価は私には分かりかねますが、ひとまずこの作品で表現したいことはすべて作中で表現できたとは感じています。

 特に、最終話のラストシーン、ふたりの一連のセリフを書ききって、あとは作品を締めくくるほか、これ以上描くべきことはないと思えました。


【恋愛小説というジャンル】

 私は元来、『ミネルヴァ大陸戦記』という、非常に硬派な異世界ファンタジー戦記を執筆しており、しかもそちらでは恋愛要素にスポットを当てることはほとんどありませんでした。

 随所で男女が関係を持つことはあっても、何かしらの思惑や利害が絡んでいたり、純粋な愛情を描いてもその扱いは作品全体のアクセントというレベルでしかありません。

 そのため、恋愛を題材として作品をリリースするのは今回が初めてで、かつ著者の従来の路線からは大きく外れた内容だったということになります。

 これも読者の方にどう思っていただいたかは別として、個人的には書いていて楽しく、新鮮な体験ではありました。

 後述するように、夢中になって一気に書ききったため、1日1話という自分にしてはハイペースで更新することもできました。

 遠くない将来、このジャンルはまた書いてみたいです。

 ただ、幸太と美咲以上に深く強い愛情で結ばれたカップルはもう描けないだろうという気はしています。


【執筆中、著者の身に起こったこと】

 この作品を書くのは楽しかったと書きましたが、同時になかなかつらいことも多かったですね。

 要因としては、たぶんですが、この作品が一貫して幸太に視点を置いているということです。

 著者としては、幸太の目に見えないものは描かないが、その分、幸太の内心はすべて把握できることになります。

 幸太の内心とは、まずは美咲に対する深くひたむきな愛情であり、その想いをまっすぐに伝え続ける誠実さであり、美咲こそがすべてだと信じそのままに行動できる勇気といったところでしょう。

 また、そうした幸太に影響される美咲の心情、例えばよろこびや、不安、いとおしさ、心強さ、切なさやさびしさといったさまざまな感情の揺れ動きもポイントです。

 著者としては常に幸太の目線に下りて、彼の心情を代弁したり、彼が五感を通して受け取る美咲の表情や仕草、気持ちを描く必要があるために、彼や彼女と同じくらい、感情を揺さぶられていました。

 幸太の胸が美咲への愛情で満たされているときは私もまったく同じ気持ちになっているし、美咲がさびしい表情を見せるときは自分も胸がしめつけられるようでした。

 なので、彼らの感情が入る場面では、著者自身もだいたいぼろぼろ泣きながら書いていましたね。

 と言うより、そうじゃないと書けないです。

 ほかの執筆者の方も、一人称小説で書き進めるとき、主人公が泣くとその著者も泣いたりするのでしょうか。

 こういう苦しさは、神視点で俯瞰的に描く『ミネルヴァ大陸戦記』ではほとんどなかったです。

 あちらは、戦争や外交、術と呼ばれる特別な能力を軸に、スケールを大きくした群像劇でもあるので、どちらかというとそれぞれの心理を解像度を上げて描写するより、いかに全員を世界観とそれぞれの役割に応じて最適に動かせるかが重要です。

 ただ、あれこれと思い返すと、もしかしたら視点がどうこうというより、ただ単に幸太と美咲が、特別、私が感情移入できるカップルだったからなのかもしれませんが。


【作品にぶち込んだ音楽ネタについて】

 この作品ではライトめな場面でさまざまにネタを放り込んでいます。

 それとは別に、音楽ネタは美咲が特に好んでいるという設定において、小田和正さん・オフコースの作品から以下の5曲で歌詞を一部引用していることを、念のために明示しておきます。

『あなたのすべて』

『ラブ・ストーリーは突然に』

『キラキラ』

『大好きな君に』

『秋の気配』

 また、歌詞の引用はありませんが以下の3曲も名前を登場させています。

『Yes-No』

『伝えたいことがあるんだ』

『君との思い出』

 いずれも優しい愛情の込められた、素敵な曲ですので、ご興味のある方はぜひ、一度聞いてみることを強くおすすめします。


【改稿について】

 予定ではこのあと、改稿を加えます。

 とは言っても、ストーリー全体に影響を及ぼすような変更は一切しません。

 意図せぬ表記ゆれの修正や、ごく小規模なリネーム、設定で矛盾点があればその整理など、細かい部分で手を加える可能性があります。

 ただエピソードの追加や削除、シーンの意味合いが変わるほどの大きな改修はしません。

 改稿は随時行いますが、更新による影響はきわめて限定的であろうと思われますので、告知もいたしません。


【最後に】

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 雑記の冒頭でも申し上げましたが、こちらはあくまでも著者のくだらないひとりごとですので、作品に対してコメントや評価があれば、ぜひ感想として書き込んでいただいたり、ブックマーク・いいね・レビュー・SNSや口コミでのご紹介等、

 これまで作品と称して口幅ったいことを書き連ねてはおりましたが、個人的には自分がこの作品のすべてをつくっているという感覚はまったくないんですよね。

 私の場合、狙いやテーマを持って、周密にプロットを組み、それに沿って書き進めることは一切なく、ただただ感性の向かうままに書き散らかしています。

 ある程度のところまで登場人物をイメージしたら、あとはそのキャラクターが勝手に動き出して、彼らが勝手にストーリーを進めていくといった感じです。

 著者はそれに共感・理解しつつ、単に文字に起こしているだけです。

 演出家や脚本家として作品を支配しているわけではなく、記者として作品を伝えているつもりです。

 まぁ、感覚の話ではあるんですが。

 逆に言うと、記者としては作品のツクリテである登場人物たちを絶対にけがすことなく、その魅力を最大限に伝えることが使命です。

 その意味では、私が伝えるべきことに対して、少なくとも現時点で悔いはないと思っています。

 幸太はどこまでも美咲のことを愛していて、その愛をすべて捧げることができた。

 美咲はその想いを受け止めて、さらに大切に大切にふたりの愛を育ててくれましたよね。

 ほかの脇役たちも、そうしたふたりを応援し、支えてくれました。

 自分としては彼らを裏切ることなく、作品を終えることができたと思います。

 すべての登場人物と、読者の皆さまに対して。

 本当に、ありがとうございました。

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