その仮面は鉄じゃない

甘く誘う　つやつや樹液

都合の良いよりどころ


魅惑に香る　なめらか蜜蝋

みんながみんな　望む味わい


冷えることなく

ぬるく触れ

はがすことなく　くっついて

あつくあつく　目すら隠して


つやと模様が魅力的

誰もが認める　あなたの仮面


いつから？　あなたになったのは


壊すことがこわくって

剥がし方もわすれてて


でも　自分から染み出した

同じ温度の重しとなれば


さめざめ泣けばとけるのか

熱でも出せば曲がるのか


胸元の手を伸ばせずに

引きはがす手を探してる


あなたの仮面は鉄じゃない

ぬくもりのある　かさぶたのよう



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る