美談なんてくそくらえ

メールでなんて簡単なものだね


画面の向こうで 見えないあなたが笑う

私の指が打ちこめた 時間と想いを否定する


しかし 私はあなたに言いたい

なら ちゃんと読んだのかと

この白と黒しかない盤面の

ひっくり返りようがない私のことば

あなたに綴った あなただけのための

精一杯のさよならを


あなたが白で 私が黒の

争いであってもそれでいい

私を敵だと否定して

盤面白染め望むところね


顔合わせれば泣いてばかりの

言葉と感情 ポエムのようで

理想とエゴに満ち満ちた

あなたが愛しい日々だったから


顔合わせずに笑ってほしい

感謝と別れ 深呼吸して

届け伝われ諦め笑って

あなたの明日への気遣いだった


まだ着信音は変えていなくて

簡単 ひとこと 白い石を置く

あなたの戦法読めたもの

会って抱きしめ口づけかわし

涙の最後が理想だと

白いあなたしか見ていない


引き分けを願った私が愚かなのか

小さい傷は 悲しい諦めは 後悔は

積み重ねとは 気づかないのか


ならばもう

ズルいと言われても受け入れよう

盤面を黒く 私の黒へ 真っ黒く

だってそう さよならは ただのさよなら



美談なんてくそくらえだ




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