糸の夢

張りつめた糸の上に立っていた


いまにも切れそうで

いまにも落ちそうで


ああ

アタシは落ちるんだ


たとえこれが夢でも

きっと痛い

きっと暗い

きっと深い

紅い赤い池になる



溶けて淀んで一つになるなら

それもいい

垂れ残った糸も溶かして

夢の中へ浸っていこう


全てが見えず

全てが脆く

全てが怠惰で

そしてアタシがのぞむ夢


醒めるなかれ 醒めるなかれ

ずっとアタシが望むように

堕ちていけばいい


手はのばさない



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