2023年の秋風

2023年の秋風は 涼しい

日差しはまだまだ強く コンクリートを照りつけて

都市では異常な暑さが続いているが

風は涼しく 秋の色をたたえ始めた

私が子どもの頃 1990年代は

8月が終わってしまえば とんとんとんと

涼しくなって

もうすっかり秋の色と言わんばかりに

紅葉や イチョウの黄色 落葉樹の赤茶色など

素晴らしい 秋景色に

子どもながらに 楽しさと 寂しさとを感じる秋だった


今私には娘がいて

これが今現在は凄まじい わがままガールなのであるが

娘はまだ秋をよく 知らないのであろうな


技術の進歩は確実に 人間の暮らしそのものを快適に

成長させてきた一面は確かにあるが

同時に人間が失った数々のものを思い出すと

まるで家族が死んでしまったように

悲しくなるのは 私だけではないはずだ

娘が大人になった時

地球温暖化というやつは

どこまで進んでいるのであろうな

もはや日本では四季が完全に

無くなってしまっているのかな


私たちが地球のためにできることは

きっと沢山あるのだろうな

地球のためになることでも

小さすぎてやらないのであろうな


小さきものが かけがえのないものを

少しずつ 少しずつ 蝕んで

少しずつ 少しずつ

地球に人類がいなくなってしまわぬように

今できることを 少しずつ

私たちはやろうね


思い出す30年前の秋風は

色づいた葉っぱをひとつずつ 落としていって

私の目の前に運んでくれた 優しい風

父と母と兄と姉と妹と歩いた道

太陽はいつだって輝いていて

色づいた葉っぱの道が出来上がっていく中を

私は兄弟にバカにされながらも

楽しく歩いた 記憶の道

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