第68話 偵察をしよう

『チーム・陣の位置……決勝ダンジョン東側、フロアBです。

 チーム・ドーンが移動開始、おそらくチーム・陣と合流するのだと思われます』


「予想通りか」


 決勝進出チームの中では圧倒的な力を持つチーム・ウィンストン。

 彼らに対抗するために、チーム・ドーンが豊富なデバフスキルを持つチーム・陣と組むのは自然な戦術といえた。


「こちらもルークさん、ブレンダとの合流を急ごう。

 スキルポイントを割り振るぞ」


「うんっ!」


「頼むぞ」


 俺は急いでみんなにスキルポイントを割り当てる。


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 ■個人情報

 明石 優(アカシ ユウ)

 年齢:25歳 性別:男

 所属:F・アカシアギルド

 ランク:B

 スキルポイント残高:7100(-22900)

 称号:ドラゴンスレイヤー

   災害迷宮撃破褒章


 ■ステータス

 HP  :700/700

 MP  :0/0

 攻撃力 :500(+200)

 防御力 :400(+200)

 素早さ :200

 魔力  :0

 運の良さ:100


 ■装備/スキル

 武器:ダマスカスブレード(200×7回)

 防具:ダマスカスメイル(200×7回)

 特殊スキル:攻撃強化技15%(150×2回)

      戦技リンク(1500×2回)

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 ■個人情報

 アカシ リーサ・レンフィード

 年齢:11歳 性別:女

 所属:明石 優のパートナー

 ランク:H(ダンジョンバスター見習い)


 ■ステータス

 HP  :400/400

 MP  :200/200

 攻撃力 :100(+100)

 防御力 :200(+100)

 素早さ :200

 魔力  :300

 運の良さ:100

 武器:チタンボウガン+(100×3回)

 防具:ファイバーブレザー+(100×3回)

 特殊スキル:ファイアLV4(200×3回)、ブリザードLV4(200×3回)

      ヒールLV3(100×3回)、フレア・バースト(500×2回)

      戦技リンク(1500×2回)

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 ■個人情報

 アカシ ミア

 年齢:13歳 性別:女

 所属:F・アカシアギルド

 ランク:E

 スキルポイント残高:-

 称号:まおう


 ■ステータス

 HP  :300/300

 MP  :200/200

 攻撃力 :100(+100)

 防御力 :200(+100)

 素早さ :300

 魔力  :300

 運の良さ:100

 武器:ハンドファング+(100×3回)

 防具:ホワイトローブ+(100×3回)

 特殊スキル:ウインドカッターLV4(200×3回)、カーズLV4(200×3回)

      ダークバスター(500×2回)、戦技リンク(1500×2回)

 固有装備:シルバーオーブ

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「役割は今までと同じだね?」


「ああ」


 俺が前衛、リーサとミアが後衛だ。

 勝負のカギは、戦技リンクを使うタイミングになるだろう。


「そんなことよりも……」


 大事なことが一つある。


「フェリナ!」


『はいっ!』


 俺の合図に合わせ、フェリナが特別なプラグインを起動する。


「ふお?」


 きらきら


 光と共に、リーサの履いていたローファーが白い編み上げブーツに。

 もふもふの狐耳にサファイアの耳飾りが。


「わわ、きれい!!」


「ふむ?」


 同じくミアのネコミミに赤いリボンが結ばれ、複雑な刺繍の入った漆黒のレイがふわりと肩に掛けられる。


「ほう……覇者のレイか」

「このリボンも気に入ったぞ♪」


 ぴこぴこと耳を動かすミア。


「衣装がもっとかわいくカッコよくなったよ!

 すっごい追加効果があったりするんだよね?」


「いや」


『特にステータスは強化されませんよ』


 せっかく決勝に進出したんだ。

 リーサとミアをより綺麗に彩ってやりたいと、俺とフェリナでデザインした追加衣装である。


「って、見た目だけなんか~い!」


「ふはは、愉快じゃのう!」


 リーサのツッコミを受けながら、俺たちはルークさんとブレンダがいる場所へと急いだ。



 ***  ***


「少し遅かったじゃない……あら、可愛いわね?」


 数分後、ルークさんたちと無事合流することが出来た。


「準備は出来てるようだな」


 ルークさんは銀色に光る甲冑を身に着け、身長を遥かに超える大剣を肩に担いでいる。


 ブレンダは足首までの長さの漆黒のドレスにとんがり帽子、樫の木でできたマジックロッドという由緒正しき魔女っ娘衣装だ。


「ふむ……ブレンダちゃんにこういう格好をさせるのもあり……か!!」


「えへ☆」


 可愛くポーズを取るリーサの制服風冒険着に、インスピレーションを刺激されたらしいルークさんの目がきらりと光る。


(決勝後に計画しているウチのダンジョン攻略配信で、ブレンダ嬢用の可愛い魔女っ娘衣装を (フェリナが)用意していますので!)


(素晴らしい!! やはりユウ君、君は分かっているね!!)


「もううううっ!? ダディ! ユウ!!」


 俺とルークさんの親バカテレパシーは、何故かブレンダにダダ洩れだったようだ。


「いま”感度”を上げてるんだから、あまり変な事を考えないでよね!」


 ぷんぷんと怒るブレンダの足元には紫色の魔法陣が広がり、僅かに光の粒子が立ち上っている。


「……これは?」


「ブレンダちゃんの”固有スキル”で、あらゆる事象を解析する魔術、だ」


「これで、まずジンの情報を集めようってワケ。

 術の発動中は他の行動がとれなくなるから、準決勝じゃ使えなかったけど」


「なるほど」


 ルークさんと俺たちが敵チームを押さえている間に、ブレンダの魔術で陣さんたちをスキャンする作戦か。


「ということで、エスコート頼むわね」


 ぴょんっ、とルークさんの肩に載るブレンダ。


「了解だよブレンダおねーちゃん!」


「くく、この魔王ミアライーズに任せるがよい」


「よし、リーサ、ミア。

 俺たちが前に出るぞ」


 リーサとミアに声を掛け、悠然と歩くルークさんたちの前に出る。


 まずは相手チームの出方を探ることにしよう。

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