第26話 新たな力

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【2023/03/13 作者からのお知らせ】

スキル〖瞑想〗の設定がガバガバでした。

レベル1で6時間(360分)瞑想で回復。

レベル10で36分瞑想で回復に変更しました。

※17話でレベル3で90分くらいの設定でしたので変更になります※

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 アリスから全信頼を受けて譲り受けた【自然治癒のルーン】を成長させながら、これからの僕達の方針を決めて鍛錬を続ける。


 まず最初にしたのは、譲り受けた【自然治癒のルーン】二つともに進化させる。


 【魔素自然回復のルーン】に変更することで狩りの効率が一気に上昇するはずだ。


 毎日のルーティングとしては、毎日二層でロックゴーレムを狙う。〖探索〗のレベル7のおかげでフロアボスが出現した際に分かるようになったのがありがたい。


 それでも距離的に間に合わず、他のパーティーに取られる場合もあるので毎回取れるわけではないけど、それでも三日に一度は取れるくらいにはロックゴーレムを倒して魔石を得ることができている。


 ロックゴーレムを倒したら今度は五層に向かって狩りを続ける。


 狩りが終わると一度奈落に戻ってきて、僕の魔素の回復に努める。アリスは普段から魔素を使うわけではないので長時間休息が必要なわけではないけど、精神的な疲れ、肉体的な疲れを回復するためにも常に僕と一緒に行動している。


 〖瞑想〗のレベルが6となり、瞑想時間が半減しているので六時間ではなく三時間で回復できる。


 回復が終わったら、昼食を取ってまた五層に狩りに向かう。


 最初と比べるとアリスとの連携も上手くなっていって倒せる魔物の数が二倍近くなっているし、パーティーを組んだ場合、戦闘者の中で一番【運】のステータスが高い人の影響を受けるようで、僕の【運】のおかげなのか【魔石の欠片】やドロップ品がリュック一杯に貯まる。


 狩りを終えると一度奈落に移動して、一回目の狩りの分を取ってセリナさんの家に移動する。


 セリナさんの家の地下にドロップした素材をテーブルの上に並べておく。これはセリナさんがあとで清算してくれる分だ。


 少し待っていると、上の階から人の気配がしてセリナさんが入ってくる。いつもの挨拶を交わして、すぐにセリナさんが出してくれるココアーデを頂いて今日の一日の至福時間を堪能する。


 至福時間が終わると僕とアリスは奈落に戻り、本格的な休息時間を取る。


 それにしても【魔素自然回復のルーン】の効果は凄まじい。レベル1の時ですら、本来回復しないはずの魔素が回復していく。アリス曰く、魔法系統の才能がある人は全員が持っているスキルらしい。それでも自然回復で全回復するまではものすごい時間が掛かるから、あくまで狩りを少し長引かせるくらいのスキルらしい。


 ただ、それはレベルが1だった場合だ。


 まず、レベルが1だった場合の回復量は、レベル9のフレイムバレットが五発撃てる分の魔素が十分に一度回復する。これは単純計算でいくと、レベル1のフレイムバレットとレベル9のフレイムバレットで消費魔素が丁度五倍違うので、結論からいうと、〖魔素自然回復〗というスキルのレベル1の性能は、十分でフレイムバレットレベル1の一発分回復となる。


 この計算からいくと、自然回復に身を任せるよりはしっかり休息を取って全回復させた方がいいのが分かる。魔素だけでなく集中力や体力もあるから。


 では〖魔素自然回復〗のレベルが上がったらどうなるのかがとても楽しみなところだったけど、僕の想像通りの素晴らしい結果となった。


 レベル1で十分がレベル2で九分と変わった。つまり、レベル10に上げられれば自然回復は毎分になるので長期休息を取らなくても魔素が足りなくなることはなさそうだ。


 それから四日間同じルートの狩りを続けた。




「上がった~!」


「おめでとう!」


 こうして一緒に喜んでくれる人がいると、ちょっぴり恥ずかしいけど凄く嬉しい。


 遂に【魔素自然回復のルーン】のレベルが二つ共に5に上昇した。これは非常に大きくて、アリスには感謝するばかりだ。


 彼女には事前に目指していることを伝えているので、目を輝かせて僕に注目している。


 早速ステータス画面を開いて、レベル5に上昇したルーンを選択する。



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 名 前:魔素自然回復のルーン

 進化先:

【エレメンタラーのルーン】

 ┗条件:Lv.5

【マジックブーストのルーン】

 ┗条件:中級進化、Lv.10

【魔法神のルーン】

 ┗条件:上級進化、Lv.10

【自然治癒のルーン】

 ┗条件:なし

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 【魔素自然回復のルーン】の進化先から【エレメンタラーのルーン】を選択した。


 僕の右手の中に不思議な光が溢れてルーンの感触が伝わってきた。手を開くと、手のひらの中に緑色のルーンが入っていた。


 大成功に思わず顔が緩んでしまうと、見守ってくれるアリスも同じく笑顔になってくれて、両手を前に出してくれる。


 アリスの両手に自分の両手を当てると、奈落の中にバチーンと気持ちよくハイタッチの音が響いた。


「これで一つ目的は達成できたね!」


「うん! ありがとう! あとはこちらのルーンもレベルを上げたら完璧だよ!」


「ねえねえ、早速使ってみて!」


「そうだな――――と言いたいんだけど、せっかく魔素の回復時間が半分すぎてるから回復してからかな?」


 するとアリスの頬が膨れる。どうやら今すぐに見たかったらしい。


「ロックゴーレムの時間にズレすぎるからね。朝まで我慢してね」


「そうだね。せっかく時間調整してるしね。じゃあ早く寝ましょう!」


 子供のようにはしゃぐアリスに自然と笑みがこぼれてしまう。


 その日は僕もワクワクした気持ちで眠りについた。

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