火の意思
ミンイチ
第1話
この世界に文明が生まれる少し前に、僕は生まれた。
生まれるきっかけは、人類の祖先が火を手にしたことだ。
その時から、道具としての『火』という僕が生まれた。
生まれるきっかけとなった火はすでに消えてしまっているけれど、人が使う別の火と意識や記憶が引き継がれていくので僕という存在は消えず、たくさんあり、そして一つである。
人類が何かをするときは火を使いながら行うことがほとんどになったことで、僕はさまざまなものを見てきた。
美しい景色を見ることもあれば、大冒険に付き合った時もある。
そして、さまざまな進歩の瞬間も見てきた。
しかし、逆に醜いものも見てきた。
人同士で争う瞬間や、他の生物を遊び感覚で殺し合う瞬間。
そして、『火』を使って同族を殺すところも何回も見てきた。
そんな人類に生み出されたのが僕ではあるが、僕が人類をそんなふうにしたとも言える。
人類はなぜ僕を生み出し、活用できるようになったのだろう
火の意思 ミンイチ @DoTK
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます