灰の詩

塊宮麗央(くれみやれお)

始灰

 誰が点火した。


 おそらく僕らではない。


 もうずっと前から火種はあったのだ。


 灰となった今ではもう、


 始まりを知ろうとは思わない。


 そもそもこれが、始まりなのだ。


 あの心地の良い、


 暴動と、喧騒と、混沌が、


 この灰から生まれたのだ。


 僕らはただ、笑うだけだ。


 黒の外套に、白い灰を乗せて。


 白骨で赤を起こす。


 結局はその繰り返し。

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