光を灯す物語

どうして生きているのか。なぜ生きなくてはならないのか。
丁寧に日々を生きる。積み重ねる。日常を愛おしむ。周りの人々に感謝する。それに何の意味があるのだろう。
適当に生きることが出来てしまう、そんな日々がだらっと続く。

そんな日々に風穴を開けるのは、いつだって自分じゃなくて他人と世界だ。
その風に翻弄される事は苦痛を伴うかもしれない。それでも、大切な事に気付き、人に気付き、分からなかった事がわかり、愛というものの答えを見つける。

大切なものが出来た時、人はワガママになる。自分に対しては諦めてしまう事もある。
でも、それが自分じゃなく、他の何か。大切な誰かの時。人はきっと必死になれる。一生懸命になれる。

それが強さになる。力になる。
自分の無力も知る。謙虚になれる。
悔しさを抱いて、生きていける。
一歩を力強く踏み出せる。

この物語は、独りよがりに生きるあなたに。
きっとそんな寂しくて悲しい心に。
光を灯してくれる。

大丈夫。あなたに愛された過去があるなら。あなたの未来を想ってくれた人々がいるなら。
いつだって、あなたは。あなたの背中を吹き上げる追い風に気づく事ができる。

それを気づかせてくれる。
思い出させてくれる。

そんな素敵な物語。


このレビューの作品

ロード